或いは 横須賀と沖縄を繋ぐもの
 
 「どうして僕は沖縄が好きなのか」 ――正直言って、こう質問されるのが一番困る。
 何度も繰り返し沖縄に通う僕に、「沖縄のどこがそんなに良いの?」とか「沖縄のどこが好きなの?」なんて訊いてくる人は少なくない。そう訊かれると僕は「う〜ん、どこが良いんだろう?」と、腕を組んでしばらく答えあぐねてしまう。…僕は沖縄の何に惹かれているんだろう?
 
 最近、ふと気づくことがある。例えば、那覇のスージグヮーを歩いているとき、コザの街を歩いているとき、市場をひやかしているとき、僕はそこに確実に郷愁にも似た懐かしさを感じている。でも、それはきっと僕に限らず、多くの人が同じような感覚を味わっているのだろうし、言ってみれば田舎で暮らしたことがあるわけでもないのに山村なんかに出くわしたときに陥る“都合のいいノスタルジー”みたいなものなんだろう、と僕は思っていた。都市の喧騒から離れてホッとすることで生まれる錯覚のようなものなんだろうと。
 でも、久しぶりに生まれ育った街・横須賀に帰ってみると、実はそんな僕の“懐かしいと感じる気持ち”が、僕自身の原体験の中から湧いてくるものなのかも…ということに気がついた。どこか似ているのだ、沖縄と。
 子供の頃から見慣れた風景が、どこかで沖縄と不思議な符合によって結ばれる。それを意識しながら横須賀の街を歩いていると、あちこちで「カチッ」とパズルがはまるみたいに腑に落ちてくる。
 よく“ディープ”などと称される沖縄の裏路地や歓楽街の光景の向こうに、僕は自分の原風景を見ていたのかもしれない。未知の世界に足を踏み入れるワクワク感では無く、懐かしい匂いを嗅ぎ取って、それに心惹かれていたんだ、と。「懐かしいような気がする」という曖昧なものじゃなくて、確かな空気の一致。手触りや肌目(きめ)の一致。そこで暮らす人々の生活臭と共に。

 もちろん、これが僕が沖縄に惹かれる理由のすべて、というわけじゃない。ただ、そんな理由の一部分は、確実に横須賀にあった、と言える。んだと思う。たぶん、ね。
 


横須賀は坂や階段が多い街。
“谷戸”という地形によるものだ。
僕の家もかなり高台にある。
だから自転車で街を移動するのはかなり大変。

 


京浜急行はたくさんのトンネルを通る。
土地が平らじゃないので非常に揺れるし。
吊革につかまってないと確実に転がります(^_^;)
僕が船の揺れに強いのもこの電車のおかげ?

 

横須賀には“開かずの踏み切り”って少ない。
高架が多いし幹線道路と交わらないし。
だからこの街の踏み切りは結構好き。
警報機の音も心なしかやさしいし。

  


トンネル。横須賀名物(^_^;)
人も車も電車もトンネルにはお世話になってます。
ちなみにこのトンネルの向こうには、
横須賀一の繁華街が広がります。

  

僕は電車って基本的にキライですが、
“京急”だけは別。
とくに横須賀〜三浦に掛けての車窓からの眺め。
海、山、町の三つ巴で妙になごみます。

  

この街並みの向こうには海。
晴れているとなかなかキレイです。
僕の実家から一番近くで見える海。
…埋め立てで次第に遠くなっていくけど…

  


かつて“廓街”として栄えた地域。
今でも怪しい商売が細々と…
いわゆる“ちょんの間”ってヤツね。
「1時間5000円でイイよ〜」とか言う闇商売(^_^;)

  

でも、実はこの街に馴染みが…
と言っても悪い遊びをしていたわけじゃないよ!
友達が住んでたんだよね、この辺りに。
父親はヤ○ザだったみたいだけど…

  

もちろん、普通のお家もあるんだけどね。
裏社会っぽい人が多いのも確か。
それが一緒くたになった街。
そこに僕は“粋”を感じる。

  


実はこの人の自宅がすぐご近所にあります。
自宅前には警官が常時警備してる。
さぞかし商売し難いだろうなぁ…
もっとも、警察はある程度黙認してますけど。

  



ところ変わって、これはJR久里浜駅。
横須賀にはさっき出て来た“京急”と、
この“JR横須賀線”が走ってます。
横須賀線はかなりローカルな雰囲気。

  

コンクリートに直書きの看板。
こういうのも昔は珍しくなかった。
最近は横須賀では滅多に見られません。
これもそのうち取り壊されちゃうんだろうなぁ…

  

『ペリー上陸記念碑』。
横須賀と沖縄を繋ぐ人物・ペリー提督。
彼らの黒船が浦賀に来航して来年でちょうど150年。
…鎖国からそれほど経ってない気がしない?

  

その記念碑の前にある“久里浜海岸”。
すぐ横には火力発電所。
この辺りは発電所の影響で水温が高いとか。
…ホントかどうかは知らないけど。

  

2002年・元日、午前9時。
釣りをしてる人が居ます。
こういう正月もイイかもしれないね。
家でゴロゴロテレビ見てるのもイイんだろうが。

   

“平作川”。横須賀で一番長くて大きい川。
全長約10km。…ってたいして長くないじゃん(^_^;)
でも、川辺ってなんだかイイよね〜。
『河よりも長くゆるやかに』って漫画、好きなんだ〜。

  

浦賀。漁港でもあり、造船所でもあった。
“ドック前”なんてバス停もあるしね。
善しにつけ悪しきにつけ、
横須賀は海で生きてきたと言えるのかも。

  

浦賀は昔の漁港の雰囲気を残してる。
だから神社も多い。
渡し舟なんかも現役で動いてるし。
穏やかな空気に包まれた町。
  


打って変わって(?)若松町の歓楽街。
子供の頃はちょっと怖いところだと思ってた。
今はちょっと廃れた感じだけど、
当時は淫靡な雰囲気ムンムンで。

  

60〜70年代で止まってしまったような街並み。
「ヤバい横須賀捨てて、川崎に行こうよ!」
映画『豚と軍艦』そのままの世界。
ズルッとしたオネエちゃんが出て来そうな。

   

表通りは再開発でキレイになった。
どんどん街は変わっていく。容赦なく。
そんな中で染みのように残るもの。
僕はそんなものがたまらなく好きなのだ。

  

右の青いシャッターは古本屋さん。
エロ本ばっか置いてある(^_^;)
いやぁ、昔はよく通っ…て無いよ。
(ふ〜、あぶないあぶない)

  

間口の狭い店がズラリと並ぶ。
僕には敷居が高すぎてとても立ち入れない。
たぶん、これからも立ち入ることは無いでしょう。
でも、この雰囲気はたまりません。

  

『蘭』、そして『メルヘン』。
その裏手には『サウナ・令嬢トルコ』(←廃業)。
とてつもない場末感。
きっと、いつか消えてしまう濃厚な“陰”。

  


米軍基地。僕らは“ベース”って呼んでた。
例のテロ事件のときは大変だったらしい。
基地に入る従業員の車で未曾有の大渋滞!
苦情殺到で駐車場を移動したぐらいに。

  

今は比較的落ち着いています。
が、警官がしっかり警備中。
この写真を撮っていた僕に、威嚇して来やがった!
僕も睨み返してやった。お巡りムカ〜ッ!

  


基地の斜向かいにある店、『ハニービー』
なんちゃってアメリカなテイストが味わえる。
僕も何度か入ったことがあります。
もちろん外人(海兵)さんの姿も見かけます。

     

タコス、チリドッグ、ピザ、どれも美味い!
店内は笑っちゃうぐらいにアメリカナイズ。
創業30数年の本格派であります。
この手の食べ物がお好きならオススメ。

  

“ドブ板通り”…なんだけど…
改装されてすっかり小奇麗な通りに変貌。
こんなの、ドブ板じゃな〜〜い!!
ドブ板は“ヤバい街”だったはずだぁ〜!

  

往年を思わせる店もことごとく消えてしまった。
キッチュでサイケな絵看板も消え果た。
ここは確か『BULL』とかいうバー。
僅かに残ったドブ板の匂い…

  

そんな中、この店が残ってるのはうれしい♪
そうなんだよ、これ!この感じ!
これこそが僕が抱くドブ板のイメージ。
昔は「夜にドブ板に行っちゃダメ」なんて親が警告したもんさ〜。

  


裏路地。
友達と歩くのは、いつもこんな細い路地。
どこからともなくシャボン玉が飛んで来たり。
ときには花瓶が飛んで来たり(←夫婦喧嘩)。

  

光と影の陰影がとても強い。
人は、きっと闇を知るべきなのだと思う。
闇があるからこそ、光が尊い。
光ばかりを見ては歩いて行けないのに。

  

夏にはこういうところで水遊びとかしてね。
商店街の裏だから、商人の子が多くてね。
おやつもらったりしてね。
「どら焼きじゃなくて、ケーキがいい!」とかね。

  

あ〜、これ、俺の家の前にもあった。
防水用の水を溜めておく石で出来た貯水槽。
これで鉢植えに水撒いたりするんだよ。
夏場はボウフラが浮いてたりするのがなんだけど。

  


三浦半島の西にある“秋谷の立石”。
広重の浮世絵や泉鏡花の『草迷宮』の題材にも。
高校が近かったのでときどきここに来ました。
写ってないけど岩の後ろには富士山が見えます。

    

この日は風が強くて海が時化てました。
相模湾は広々としていて気持ちいい。
景勝地もいっぱいあるしねぇ。
荒崎とか長者ヶ崎とか。

  

“長坂”という町には今も農家が多く居る。
これはキャベツ畑。
ちょっと山側に行けばこういう風景も見られる。
…横須賀って結構田舎なんだよねぇ。

   

この奥のほうに“大楠山”という山があります。
三浦半島一標高の高い山。
…242mですけどね(^_^;)
ハイキングのメッカであります。

  


これは僕の実家と目と鼻の先にある公園。
左の白っぽいのは博物館。
この一帯はまさに子供の頃の遊び場。
勝手知ったる庭みたいなもの。

  

『中央公園』。博物館のすぐ横にある。
結構広い公園。眺望がバツグンにGood!
四季折々の花も楽しめます、それなりに。
桜の盛りには大宴会場と化す。

  

椰子の木とソテツ。
なぜか唐突な南国ムード。
確かに比較的温暖な土地だけどさ、横須賀は。
枯木立とのコントラストが珍妙。

  


よく遊んだんだよねぇ、この砂場&すべりだいで。
今改めて見ると…結構シュールな遊具(^_^;)
最近は「砂場は不衛生」と遊ばせない親も多いとか。
子供は汚れて遊ぶモンじゃないの?

  

これ、前にも一度このコーナーで載せたなぁ。
世界平和を祈るオブジェです。
さっきの砂場といい、ここはちょっとシューレアリスム。
一体、何をモチーフにしてるんだ?

  


海と“猿島”と海辺の街。
沖には房総半島も見える。
ホントにこの公園からの眺めは大好きだなぁ。
ほとんど毎日見に来てた。(犬の散歩がてら)

    

“戦没者慰霊塔”です。
船の舳先(へさき)をイメージした形。
軍需産業→米軍基地と続く、戦争との関わり。
横須賀もまた常に戦争の影を引きずって居る。

  


椿。もうだいぶ枯れちゃってますが。
冬はやっぱり椿か牡丹。
雪なんか降るとさらにムードup!
でも、僕は雪はキライです。寒いし。

  



これは“純ちゃん饅頭”です。
実は、僕の母親がこれを作ってる店で働いてる(^_^;)
「一時期は一日30万円以上の売上があった」とか。
…みなさん、結構ミーハーだねぇ。

  

で、これまたアヤカリ商品“米百俵”。
しかし、こちらはいまいちパッとせず。
やっぱりこういうのは分かり易くないとね。
どっちにしろ、僕は買わないけどさ〜。