月曜はダメよ
 
 
 久しぶりに“谷中・根津・千駄木”へ来た。確か最後にこの街に来たのは、もう6年以上前のことだったはずだ。そのときは、“夕やけだんだん”と“お化け階段”を見ること、そして串揚げの老舗『はん亭』でしこたま串揚げを食うことが目的だった。が、さんざんウロウロしたのに“お化け階段”を見つけられず、おまけに『はん亭』は定休日。かろうじて“夕やけだんだん”には辿り着いたものの、そのあまりにもフツーな佇まいにしばらくはそれが“夕やけだんだん”だとは気づかなかったという、涙が出そうなぐらいにお粗末な散策に終わってしまった。が、路地裏に漂う懐かしい空気と、冗談のように密集するたくさんの寺院(狭い地域に70もの寺が集中!)に、僕はかなり感じ入ってしまった。
 「またいつか来よう!」と思いつつ、その上仕事ですぐそばをしょっちゅう通ったりしているくせに、なかなか再会するに至らなかった。
 
 さて、今回の谷中散策ではたかみさんにおつきあいしていただいた。たかみさんは数日前にもお友達と谷根千(←谷中・根津・千駄木の略ね)を散策したばかりだったのだが、わざわざ僕の谷根千巡りにつきあってくれたのだった。
 …が、事情があってたかみさんとの待ち合わせに大遅刻!!まったく失礼な話だ。ホントにごめんなさい、たかみさん。
 
 “谷中ぎんざ”という賑やかな商店街を抜け、“谷中霊園”方面に少し歩いた地点でたかみさんと合流し、そのままフラフラと谷中の街を歩きはじめる。たかみさんオススメの『朝倉彫塑館』に行ってみたが、今日(月曜日)は休館日だった。いや、ここに限らず、谷根千にある食事処や資料館・美術館のほとんどは“月曜日定休”なのだ。実は、僕はそのことに谷中に向かう途中で「あっ!マズいなぁ…」と気づいた。と言うのも、以前僕が谷中を訪れたのも月曜日だったから(^_^;) そのとき『はん亭』が休みだったのも、月曜定休だったからなのだ。
 とりあえず、僕らはそのまま寺が立ち並ぶ路地を抜けて、谷中霊園に入る。
 谷中の墓地の中を、何となしに“徳川慶喜の墓”を目指して歩く。
 「今日は猫が居ないねぇ」と、たかみさんが言う。「いつもはもっと猫が居るはずなんだけど…」
 谷中は猫がたくさん居ることでも、結構有名な場所。わざわざ猫が路地でまどろむ姿を写真に撮るために訪れる人も居るらしい。…そう言われてみれば、僕もぜんぜん猫を見掛けてないなぁ。
 が、そんな話をしている矢先に、猫発見!本来居るべきものが見当たらないのは、やっぱり気になるものなのだ。
 “徳川慶喜の墓”を鉄柵越しに見て(墓内には立ち入り禁止)、歩きながらたかみさんが買った饅頭を食べ、軽く道に迷ったりしながらも“五重塔跡”を経て、霊園を出る。

 どこかで食事でもしようと、さんさき坂(三崎坂)を団子坂方面に下って不忍通りへ。坂沿いにはこれまた小さな寺が並んでいて、独特の雰囲気を醸し出している。この坂には寺以外にも『乱歩°』という喫茶店や『菊寿堂いせ辰』という千代紙屋、『菊見せんべい』などの御立ち寄りスポットが点在しているので、結構楽しい。…月曜日じゃなかったら、もっとね。『乱歩°』と『菊見せんべい』はお休みでした…
 
 そのまま“根津神社”へと移動して、すぐ近くにある『夢境庵』に入った。店内には竹久夢二の絵やそば猪口などが並べられていて、なかなか雰囲気がある。そばが出来上がるまで、そばつゆをそば湯で割ったものをお茶の代わりに飲む。う〜む、こんなサービス、生まれてはじめて体験したなぁ。
 さんざん迷った結果、僕もたかみさんも“夢境そばの冷たいヤツ”を注文した。たかみさんは「おそばでいいの?この前、鎌倉でもそばを食べたんだよね?」と気に掛けてくれたんだけど、あれはもうかれこれ2ヶ月以上前のことだから…(^_^;)
 出て来たそばは、なるほどなかなか美味かった。そばが好きな方だったら、この店は結構オススメ!
 そばを食べた後、根津神社に行ってお参りし、隣接する稲荷様に寄ってみたり、すっかり花が終わってしまってまるで茶畑のようになってしまった“つつじ園”を眺めつつ、再び不忍通りへ戻る。
 不忍通り沿いにある“根津のたい焼き”を見つけて即購入。それを食べながら千駄木の駅まで歩いて、そこでたかみさんとお別れした。
 …と、約4時間の散策をさっくりと書いてみたが、何気なく谷根千の要所はひと通りしっかりと掴んでたわけだよねぇ。宛ても無くフラフラとくっちゃべりながら歩いてたようで、ちゃんとポイントは押さえてたんだ。これは、たぶんたかみさんのおかげだと思う。どうもありがとうございました。これに懲りず、また一緒に遊んでください。

 たかみさんと別れた後、西日暮里の駅に向かって歩いていると、さっきまであまり見掛けなかった猫が、路地のあちこちでうねうねとひねもしていた。昼間は暑かったから、どこかに隠れていたのかもしれない。
 しかし…古い街には何故か猫が居る。鎌倉にも、京都にも、猫がたくさん居る。きっと、街の持っている空気や時間の流れが猫を呼ぶんだろう。猫が我が物顔で居つくことが出来る街。猫は、何かしらのアンテナを張って生きているのかもしれない。…ひょっとすると、あのヒゲがアンテナなのかな?
 
 

“谷中ぎんざ”は活気のある商店街。
以前、NHKのドラマの舞台になったんだって?
…知らなかったです(^_^;)
アーチの奥に見えるのが“夕やけだんだん”。

  


“夕やけだんだん”。
ごく普通の階段なんだけどねぇ。
立て看板が立ってなければ気づかないような…
でも、これがなかなか…(これはまた後ほど)

  

かご屋さんです。小物もたくさんある。
軒下の風鈴もしっかり竹細工。
こういう店が似合うのが谷根千の魅力。
何となく素朴な気分になれるのです。

  

谷中は江戸時代の都市計画で寺町に。
お寺密度の高さはかなり凄い。
小さな街に寺がみっちり立ち並んでる。
で、お墓も多い。

  

たかみさんが発見した路地裏。
イイなぁ、この雰囲気。
どうしてこんなに路地裏に惹かれるんだろう。
それはたぶんせつないからです。

  

丸い照明。木造家屋。
そして宅配のヤクルトを入れる緑の受け箱。
ヤクルト、飲んだねぇ。
ジョアとかね。

  


谷中霊園の中にある“徳川慶喜の墓”。
中には入れません。鉄柵に葵のご紋が。
この墓、円筒にドーム状の蓋が被せてあるような形。
その前には何故か井戸のポンプが…

  

さんさき坂にある『永久寺』の“一円地蔵”。
地藏さんの頭上に一円玉がある!
賽銭箱に入っているのももちろん一円玉のみ。
…しかし、どうして一円なんだ?

  

“根津神社”の本殿。
朱塗り&極彩色で派手な建築物。
寺とはまったく趣が異なりますね。
周りを囲む透塀も絢爛たるものです。

  


根津神社の境内(?)にある稲荷さん。
池を挟んだ築山に建っています。
もの凄い数の鳥居がアーチのように林立。
社の赤と周囲の緑が目に鮮やか。

  

ズラ〜ッと並んだ鳥居。
ちなみに、鳥居を建てたいなら6万5千円奉納しよう!
…これって、高いような安いような、微妙な価格。
あ、価格じゃなくて、奉納金の額(^_^;)

  

神社の真向かいにある廃屋。
窓ガラスは割れ、バランスは崩れかかって…
これで人が住んでたら、かなり怖い。
でも、軒先には鉢植えの植物が…誰か居るの?!

  

意外と有名なはず?の“根津のたい焼き”。
皮が薄い!カリカリしてる!あんこがたっぷり!
たい焼きの概念を覆す新食感にビックリ。
一匹120円です。かなり売れてました。

  

電車に纏わる諸パーツで飾られた『せとうち』なる店。
「JRムードの料理店」…って…
新幹線の一部がそっくり店先に!
でも、料理はおいしいらしいです。入ってみたい!

   

喫茶店『乱歩°』の脇に咲いてた紫陽花。
定休日じゃなかったら、ぜひ寄りたかった店。
“乱歩”にわざわざ「°」をつけるこだわり。
団子坂は何かと乱歩に縁のある場所。

  


基本的にこの辺りのお寺は
関係者以外は立ち入りできないみたいです。
まぁ、入っても境内には何もないことが多いけど。
佇まいだけで充分味わいがあります。

  

寺の街・谷中。墓地の街・谷中。
谷根千は文豪の多く居た街でもあります。
漱石、鴎外、高村光太郎…
なるほどと頷ける静かな東京の姿。

   

これは…ペットショップみたいなんだけど…
かなり怪しい気がするのは僕だけ?
「可愛い子猫アメリカンショートヘアー10万円」
…果たして購入する人は居るのか?

  

建物の隙間にぽっかりと出現する飲み屋街。
もうお解りかとは思いますけど、
僕はこういうのに滅法弱いんです。
つい吸い込まれるように中へ…

  


どれも間口の狭い民家のような店。
路地に無防備に漂う生活臭。
木造の梁に波打つナイロン製の板の屋根。
路地の向こうには鉢植えの緑。

  

これはさんさき坂の頂上にある比較的大きなお寺。
交通量はかなり激しいけど、不思議と落ち着きあり。
谷中は外人さんも多いみたい。
これも古い街の特徴かもねぇ。

  

夕やけだんだんのすぐ脇にある…の?
看板しか見てないので真相は分かりません。
でも、外人さんとかが泊まってそう(^_^;)
ムチャクチャ格安の怪しげなホテル(←勝手な想像)

  


夕やけだんだんから谷中銀座を見下ろす。
何とも爽快で、ちょっとせつない眺め。
なるほど、ここからの夕やけはキレイだろうなぁ。
しばし見惚れてしまった。

  

谷中から日暮里へ向かう途中にあった坂道。
“富士見坂”といいます。
つい最近までホントに富士山がみえたとか。
日本一の霊峰もだんだんと遠くなっていきます。

  

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