愛のさざなみ


 今日は波照間島!そう考えただけで無性にワクワクしてくる。ここから先は、波照間を偏愛するワタクシのLOVE大爆走状態の旅行記になってしまうであろうことを、予(あらかじ)めお詫びしておきます。歯が浮くような記述も随所に登場しそうな勢いですけど、大目に見てね♪

 ホテルの窓から見える空は、雲ひとつ無い…とはいかないまでも、なかなかの晴天。朝っぱらから照り付けるギンギラの太陽に、思わず笑いがこみ上げてくる。「クックック、波照間日和だぜ…」やっぱり、せっかく離島に行くのであれば、どP感じゃなくちゃね!
 などとひとりで盛り上がっている僕を尻目に、Kさんは「うわ…今日も暑くなりそうだなぁ…」と、いきなり渋い顔。「オマエは年寄りか!」と毒づきたくなる気持ちをグッと堪える。そう、だって今日は波照間島!そう考えただけで(以下エンドレスになるので省略)
 さあ、それじゃあ離島桟橋に向かってGO!ホテルを出て、美崎町センター通りを抜け、離島桟橋に到着。そこで僕らは、想像を超える人出に軽いショックを受けた。去年に引き続き、桟橋には今年もやたらと人が居る。「う〜む…八重山ってこんなに観光人気があるのか…」と素直に感心する一方で、「連絡船が定員オーバーで乗れませ〜ん」なんて事態にはならないのか?という一抹の不安が…チケット売り場の人たちって、そういう事態を想定して乗船券を発行してるんでしょうか?売るだけ売っといて「船に乗れるか乗れないかは貴方の運次第です」とかじゃ困っちゃうんですけど…離島に行くでしょ?せっかく来たんだから、皆少しでも長く滞在したいでしょ?そうなると、どうしても夕方の最終便辺りに帰便乗船客が集中するでしょ?その結果、「はい、最終便に乗れるのはここまでです。後は島で一晩過ごしてね。バイビ〜」みたいなことになったりしないのか?そういう場合は臨時便を増便したりするんでしょうか?…こうして何度も離島に通ってはいるが、そういう部分の情報にはまったく疎(うと)い私達。
 「…大丈夫なのかね?」 「うん、どうなんだろうね…」
 まぁイイでしょう。何とかなるだろう。とりあえず、石垣⇔波照間の往復チケットを購入し、船が接岸されるのを待つ。待っている間にも、観光客がワサワサと現れ、否が応にも活気付く離島桟橋。とくに竹富島に行く船にはたくさんの人が乗り込んで行く。スゴイね、竹富島。何だかエラく人気があるじゃないか。ま、一番近い島だしね。
 そんなことに気を取られているうちに、我々が乗るべく高速艇“ニューはてるま”が船乗り場に接岸。よっしゃ〜!いざ行かん、波照間へ!(それにしても、この“ニューはてるま”も、スタッフがいつも同じ人だよなぁ(^_^;)。船長なんか、ずっと一緒だもんね。顔憶えちゃったよ)
 ところで、どうもここ数年、波照間航路の船の揺れが若干大人しくなってるような気がするのは、単なる僕の気のせいだろうか?もちろん気象条件や季節、時間帯など諸々の要素があるから、一概に勝手なことは言えないのだけれど…かつての「うおお!一瞬体が宙に浮いた!」とか「これが地震だったら関東大震災クラス!」というようなハードな揺れは、最近あまり味わえなくなっているような…船酔いする人にとってはある意味朗報とも言えるだろうが(とは言っても、もの凄く揺れることには変わりありませんが)、あれはあれで個人的にはかなり楽しい体験なので、揺れが静かなのはちょっと寂しかったり…
 
 船に揺られて約1時間、前方に波照間の島影が見えてくる。嗚呼、いよいよ波照間だ。ニシ浜、集落、さとうきび畑。ぜ〜んぶひっくるめてアイラブユーでっせぇぇぇ〜!!と、はた迷惑な投げキッスを飛ばし掛けたそのとき、不意に目に入ってくる、見慣れない白いアーチ。…あれ?あのアーチは、もしかすると新しい桟橋ですか?
 今まで桟橋の在った港の少し西側に、新しい桟橋が出来上がっていた。何だかなぁ…味気ない気がするなぁ…最近、離島の桟橋ってどこもこんなふうに改装されちゃってますけどね。……あまり気にしないことにしよう。
 桟橋の近辺には、民宿の送迎車や島内観光バスが集っている。が、僕らはその脇をすり抜けて、島の北西部に在る『西本商店』を目指して歩く。
 桟橋を離れるにつれ、静かな離島の空気に包まれる。そうだよ、この感覚。これを僕はずっと待っていたのだ。Kも「静かだね。イイね」と呟く。平べったい島の景観と、そこを這うように伸びて行く道。鳥の声、風の音。時折通りすがっていく農作業の軽トラックも、ゆっくりとした速度で走っている。耳を劈(つんざ)くノイズも、心を掻き乱すスピード感とも縁遠いこの島の穏やかな佇まい。冗談抜きで「生きてて良かった〜」と思ってしまった。「日頃、何かと忙しいからなぁ、俺。可哀相だよなぁ、俺。そんな俺様にご褒美って感じ?」みたいな。
 

ホテルの窓から見た朝の石垣市街。
竹富町役場も見えます。
天気も上々です。

 

美崎町センター通り。
朝は人通りもほとんど無くて、穏やかな空気。
陽射しが強い。まるで真夏の暑さ。

 

市役所通りには朝から観光客の姿が。
八重山人気はまだまだ続いている模様。
ホントに観光客が増えました。

 

いや〜、天気イイなぁ。
午前中からジリジリと陽が照り付けて来ます。
ちょっと外に居るだけで陽に焼けそうです。

 

『A&W』。
開店時間が早くなった?
昔は10時にならないと開かなかったような…

 

『コンビニシーサー』も健在です。
相変わらず土産物コーナーが充実してました。
ある意味、新感覚のコンビニ。

 

さぁ、波照間島に行くぞ!
というわけで、波照間海運の高速艇に乗ります。
ワクワクです。

 


離島桟橋。
竹富島に向かう船に乗り込む人々。
…ところで、桟橋の再開発ってどうなったんだ?

 

高速艇“ニューはてるま”。
毎度お世話になってます、この船には。
いざ波照間に向けて出港。

 

今日は比較的揺れが少なかったかも。
それでもやっぱりかなり揺れますけど(^_^;)
1時間ほど波に揺られて…

 

波照間島に到着!
…桟橋がリニューアルされてますけど…
離島はみんなこんなになっちゃってるのか…?

 

そういえば竹富島にも桟橋改装計画が…
あれももうすでに完成してるんでしょうか?
何だか税金の無駄遣いって気がするんだが…

 

港から『西本商店』方面を見る。
ここでレンタサイクルを借ります。
港から一番近いので、何かと便利だし。

 

野良仕事の合間に一休みするアンマァ。
ゆったりとした時間を感じる一瞬。
離島の静かな時間のはじまり。

 

 『西本商店』でレンタサイクルを借りて、僕らが真っ先に目指したのは、“ニシ浜”。製糖工場を右手に見ながら、浜へと下って行く坂道の上に差し掛かると、その下には目の醒めるような青い海がたなびいている。もうこの時点ですでに僕の涙腺は緩くなってきていて、油断するとホントに泣いてしまい兼ねない状態。気を確かに持って、坂道を下る。カーブを超えると、そこはニシ浜だ。
 ニシ浜には、かなり多くの人が居た。20人位居ただろうか。海に入っている人は少ないが、皆砂浜や東屋から海を眺めたりしている。これだけの人が居るにも関わらず、浜辺は何だかとても静かだ。
 「やっぱりイイね、ニシ浜は」と、Kが言う。僕も肯(うなず)く。思えば、僕が沖縄に心を奪われる決定的な原因は、すべてこのニシ浜から始まっていると言って良い。この浜に立ったとき、僕は生まれて初めて「神様、ありがとう!」という気持ちに襲われた。…え?大袈裟じゃないかって?いやいや、ホントなんですよ。単に海の色がどうこうとか、砂の色がどうこうということじゃなくて、この浜辺そのものに胸がジンとして、しばらく忘我の境地に至ってしまったんです。で、その直後「俺は今までの人生、こんな素晴らしいものを知らずに生きてきたのか…ああ、俺ってバカバカ!」ってな具合になり、更には「どんなに辛いことがあっても、この海さえあれば俺はきっと生きて行ける!こんな素敵なものと出会わせてくれて、神様、ありがとう!」という、やや素っ頓狂な感動に、密かに咽(むせ)び泣いたわけです。
 そんな極個人的な神への愛の告白に浸りつつも、「あ!そう言えば離島桟橋の『仲田釣具店』で缶ビールを買って来たんだ。せっかくだからここで飲んじゃおう♪」と、何だか俗っぽい発想に占拠されてしまう僕の弱さ。神様、お許しを。
 砂浜に座って、Kさんと缶ビールで乾杯。まるで酒造メーカーのCMのようなシチュエーションで、海を眺めながらオリオンビールをガブ飲み。午前中から酒が飲めるなんて、ある意味とっても贅沢だよなぁ。しかも、目の前に広がるのは、波照間の美しい海原。酒に酔い、景色に酔い、穏やかな時間に酔う。←なんとも安っぽいキャッチコピー風味な自己満足の極地に陥る我々。そうしてしばらく砂浜でぼんやりと座っていると、アルコール摂取によって上昇した体温が、八重山の強い陽射しと相まって、次から次へと発汗を促してくる。
 「アチいなコリャ。そろそろ(別の場所に)行こうか」
 「そうだね、何だかちょっとダルくなってきたよ。このままじゃ熱射病になっちゃいそうだし」
 急に重くなった体を起こして、ニシ浜を後にして僕らは自転車を押しながら坂道を上る。
 「昔はこの坂道も、チャリンコを漕いで上がったよなぁ。若かったね、あの頃は…」と、Kがいきなり達観したじいさんのようなことを言う。やめてくれ!こっちまで一気に老け込むじゃないか!!
 

波照間に来ると、やっぱりここに来ないとね。
“ニシ浜”に向かいます。
この坂道から見下ろす海には、いつも感動する。

 

来たよ〜!ニシ浜。
眩しく光る青が、目と心に染み渡ります。
ああ、幸せ…

 


海水浴客が結構居ます。
でも、ビーチは静かでまったりムード。
ああ、幸せ…

 

吹いて来る潮風も心地好い。
聞こえ来る潮騒も心地好い。
ああ、幸せ…ってクドいですね。

 

この海を観るだけでも波照間に来る価値はある!
あ、もちろん他にも波照間の良さはあるんだけどね。
僕が沖縄病を患うきっかけになったのが、この海。

 

名残惜しいけど、ニシ浜を後にします。
島を巡るチャリンコ旅を開始しよう。
時間はたっぷりあるから、気が向くままにフラフラと。

 

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