Shark Tail


 宜野湾から国道58号線を北上。Kはホントにこのルートが好きだよなぁ…「58号線を北上」ってのは、往々にして「Kさんのサメ・ドライブのプロローグ」的な意味合いを喚起させるので、僕はあまり好きじゃ無いんだけど…
 「これからどうしようかぁ。俺が行きたかった場所はもう全部見ちゃったし…」と、Kが不吉なことを言う。
 「ええっ!?全部?…Kが行きたかった場所ってのは、泡瀬と事故現場だけなのか?」
 「うん。後は適当に北部を周ればイイかなぁ」
 「適当に北部を…それは危険だと思うなぁ。キミは放っておくと、このまま北部経由で那覇辺りまでノンストップでドライブし続けてしまうような…それだけは絶対に避けたいんですけど…」
 「…辺戸岬に行こうか」
 「辺戸岬!?いや、べつに俺は辺戸岬は嫌いじゃないけど、もうかれこれ5回ぐらい行ってるじゃんか、辺戸岬には。そんなに何度も足繁く通(かよ)うような場所だとは思えないんだけど…って言うか、もっと他に寄りたい所は無いのか?そんなに好きなのか?辺戸岬が」
 「う〜ん…べつに好きってわけじゃないけど」
 「Kさんの答えはエブリタイムそれじゃんか。“べつに好きってわけじゃないけど”…好きでも無い場所に繰り返し立ち寄るの止めてもらえませんか?惰性で寄ってるだけでしょ?」
 「惰性ってわけじゃないけどさ、ただ何となく…」
 “ただ何となく”と“惰性”の違いって一体何なんだ?
 「…じゃあ、『美ら海水族館』に行こうか」と、Kが言った。う〜ん、チョイスとしては微妙って気もしたが、このまま辺戸岬までノンストップで走られるよりはずっと良い。と云うわけで、次の目的地は『美ら海水族館』に決定。

 腹が減ったので、途中で目に留まった『ドライブインレストラン ハワイ』という店で遅めの昼食を摂ることにした。
 店内に入り、空いている席を見つけて適当に座る。待つこと約5分。…店員さんがちっとも来てくれないんですけど…ひょっとして、この店って客が注文を店員に直接言いに行かないとダメなシステムなのか?と少々不安な気持ちになる。どうしようか、レジの所に居る店員さんに声を掛けたほうがイイんだろうか?
 仕方が無いので、僕がレジへ行き店員に声を掛ける。
 「あの〜、注文はここで言えばいいですか?」
 「は?いえ、こちらで聞きに行きますけど〜」
 「そうですか…じゃあ僕らはあの窓際の席に居ますので、注文を聞きに来てください」
 「はい、分かりました〜」
 …まぁ、沖縄なのでね。こういうこともあるよね。と自分に言い聞かせながら席に戻る。それから約1分の間があって(この1分が10分のように感じられたが)、漸(ようや)く店員が水を持って僕らのテーブルにやって来た。僕らはソーキそばを注文。
 注文をしてから料理が来るまでの間も、随分と長く待たされた。沖縄の料理屋さんではこういうことが多いとは云え、気が短い人だったら「もういい!帰る!」と腹を立てて退店し兼ねない状況。…実は僕もかなり気が短いのだが、沖縄に通(かよ)ううちにある程度の抗体が出来たので、何とか持ち堪えられた。
 周囲のお客を見ると、そのほとんどが地元の人と思われる。中にはアメリカ人(夫)&日本人(妻)の夫婦の姿もあった。その夫婦はまだ2〜3歳ぐらいの赤ちゃんを連れていて、日本人の奥さんがそばを赤ちゃんに啜(すす)らせていた。見た目はキューピー人形そっくりの2〜3歳児が、青い眼をキョロキョロさせながら沖縄そばを啜る姿…それはちょっとばかりシュールな光景だった。さらに周囲に目を遣ると、すぐ隣のテーブルで定食を食べている男性。この人、食事中もずっとイヤーフォンでラジオか何かを聴いているようで、時折口元に薄ら笑いを浮かべてみたり、さらには何やら頷(うなず)いてみたり、これでイヤーフォンをしてなかったら「ちょっとアブない人」の烙印を押されかねない佇まい。他にも、こんな昼間から居酒屋感覚で瓶ビールを5〜6本飲んでいるおじさん3人組や、食事の間一言も会話を交わさない若いカップルなど、人間ウォッチングのネタには事欠かないこの空間。…え?悪い趣味だって?だってさぁ、やたら待ち時間が長かったんだもん。こんなことでもして気を紛れさせないとねぇ…
 

“タイガービーチ”バス停前。
玉山商店の店頭には浮き輪。
う〜ん、夏の海辺って感じ(9月だけど)。

 

これはたぶん、名護と本部の境目辺り。
Kさんは、一体どこへ行くつもりなのか?
若干不安な気持ちで海辺に佇んでみたり。

 

『ドライブイン レストラン ハワイ』で昼食。
このチープな感じ、とてもイイです。
“ハワイ”ってネーミングもイイです。

 


しかも、会議室完備!
…会議室?
ここで一体どんな会議が…?

 

店内の内装がこれまた素敵です。
…洒落てるでしょ?
「洒落てない」なんて言わさないぞ!

 

ハワイで食す、ソーキそば。
心なしかトロピカルな味が…しませんよ。
普通のソーキそばです。

 

お隣には『民宿ハワイ』も併設。
いつか泊まってみようかなぁ、ハワイに。
夕食は隣で食べればいいし、これはまさに一石二鳥!

 

 『国営沖縄記念公園(海洋博公園)』の敷地内に在る『美ら海水族館』。僕は二度目だが、Kさんは初めての入館となる。かつてここに古い水族館が在った頃には一度来たことがあったのだが(そのときのことは『99年沖縄の旅』のコーナーに記載)、Kにとってはそれ以来の訪問だ。
 水族館専用駐車場は満車だったので、近くの民間駐車場に車を停めた。この駐車場ってのが、明らかに民家の空き地って感じのやたらとハンドメイドな雰囲気の駐車場で、折り畳み椅子に腰掛けた駐車場の管理人さんも、これまた明らかに普通のオバァ。たぶん、駐車場の裏に在る家の人だろう。この辺りには、この類の民間駐車場がたくさん在る。『美ら海水族館』の恩恵を最も受けているのは、もしかするとこの人達なのかも…と一瞬思ったりもする。
 水族館に入ると、Kはサクッと館内を一周。水槽の中の魚をじっくりと鑑賞するわけでも無く、展示に興味を示すわけでも無く、ただ何となくサ〜ッと通り過ぎて行くような、実にあっさりとした鑑賞スタイルに徹していた。…考えてみれば、この人はいつもこんな感じなのだ。楽しいんだか楽しくないんだか、さっぱり分からない。何かに対して熱い関心を寄せるでも無く無表情で「一通り見て周りました」チックなクールな見学者。
 僕らが館内に居た時間は、たったの20分。しかも、そのうちの半分はみやげ物コーナーに費やした時間であり、純粋に水族館内に滞留していたのは10分程度。こんな短時間で退館してしまう客も珍しいに違いない。
 「…何だか、あっという間に通り抜けたって感じだね…」
 「そうだね。でも、意外につまんなかったね、この水族館」
 「確かにね…でもKさんにとって“面白い水族館”ってのがどういう水族館なのかが謎ではありますが…」
 「昔の水族館のほうが面白かったような気がするなぁ」
 「あ、それは俺も同感。結構グロい展示物もあったし。あのチープな感じが良かったなぁ」
 「そうそう、ああいうほうが面白いよね。入口のところで“イルカの解体”のビデオを流してたりしてね」
 「そういえば、Kはサメの展示コーナー、“サメ博士の部屋”には結構興味を持ってたみたいだもんな」
 「べつに興味を持ってたわけじゃないけどさ」
 …あ、これは俗に言う「類は友を呼ぶ」ってヤツ?サメ・ドライブをこよなく愛する友人Kは、やはりきっとサメと何処か通じ合うものがあるに違いない。
 しかし、『美ら海水族館』で一番熱心に見ていたのが“サメ博士の部屋”だったというのも、何だか微妙な話ではある。他にもっと注目すべきものがあったろうに…
 


『美ら海水族館』には修学旅行生の姿が。
沖縄に修学旅行かぁ…
僕は北海道(函館・札幌)でした。

 

水族館は大好きなんですよ。
水ってのは見てるとホッとします。
こういうの、帰巣本能っていうんでしょうか。

 


職員さんが水槽を清掃中。
…だと思う。
餌をやってるようには見えなかったし。

 

クラゲ。好きなんですよ、これ。
一時期「飼ってみたい」と本気で思ってたくらいに。
飼育するの結構大変みたいですけどね。

 

お馴染み、大水槽です。
青く光っていて綺麗です。
…ちょっと魚がゴチャゴチャ居すぎ、って気もするけど…

 

皆さん、カメラ付き携帯電話で撮りまくり。
あっちこっちで「ピロリ〜ン」ってな音が上がります。
魚を撮るのって難しいですよねぇ。

 


バンバン泳ぎまくりですからね、この方たち。
しかもかなり速い動き。
あっという間にフレームアウト。

 

上を見上げると、ちょっと海底っぽい雰囲気。
僕はダイビング未体験なので、飽くまでもイメージ上。
実際こんな近くで鮫と遭遇したらパニック起こしそう…

 

マンタもスイスイ泳いでおります。
…しかしこの形状は、何だか神秘的ではあります。
こんなのが海を泳いでるなんてねぇ。スゴイよねぇ。

 

ここが“サメ博士の部屋”。
Kが唯一関心を示した展示コーナーです。
…よく分かんないわ、この人の嗜好は(^_^;)

 

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