カヌシャマヨ


 集落に辿り着き、手頃な石垣を見つけそこに腰掛けて一休みして、僕らはまた竹富の街並みの中を散策しはじめた。僕もKも、元々歩く速度は遅い方だ。東京で歩いていると次々に追い抜かされちゃったり。沖縄に来るとその速さは更に遅くなる。まさに「ハエも止まる」ってヤツだ。しかも、本日はKさんの足の調子も宜しく無いため、益々スローテンポの歩行となっている。後からやって来た地元のアンマーにもスイスイと追い抜かれながら、集落を歩き廻った。
 竹富島―― 人によっては「観光地化し過ぎている」と言われたりもする。それも一理あるかな、とは思うけれど、やっぱりこの島の持つ心意気にはいつも感動させられる。古き良き沖縄の原風景をカチッと護っているこの島の集落は、そこで実際に人々の暮らしが営まれているという事実も含めて、きっと益々掛け替えの無い財産になっていくに違い無い。形在るものはいつか消える。でも、それを出来る限り大切に残して行こうという人々の気持ち。こういうのって、何だか嬉しいなぁ、と思う。
 僕はそんな感じですっかり良い気分で歩いていたのだが、Kがどんな心持ちで歩いていたのかは定かでは無い。
 

束の間、雲が切れて空が明るくなった。
瓦も石垣も芭蕉もくっきりすっきり。
陽が出るとさすがにちょっと暑い。

  

気温は28〜29℃ぐらいあったんだけど、
それほど暑さは感じませんでした。
曇ってたし、風も少し強かったし。

  

町役場移転ってホントに実現するのかなぁ?
新世紀の胎動…
明るい新世紀ならば良いけれど。

  


『高那旅館』直営の『茶屋たかにゃ』。
茶屋兼みやげ物屋って感じの店舗ですね。
高那旅館、多角経営だなぁ…

 

その店内のみやげ物コーナー。
自然のものを使った商品が中心の品揃え。
薀蓄傾けながら買うお客さんが居て、ちょっとウザい。

  

恐らく高那旅館のオーナーだろうと思うんだけど…
個人的にはこういうセンスって理解不能です。
サンバでGo!!…サンバ…?

  

風車を咥えたシーサー。
カジマヤーのお祝いを迎える人が居るのかも。
カジマヤーは97歳の方をお祝いする行事。

  

こちらのお宅にも風車が。
97歳かぁ…自分はそこまで長生き出来ないだろうねぇ。
人の一生ってのは瞬く間、って気がする…

 

竹富島ではお馴染みの水牛車。
結局、今回もこれには乗らず終いでした。
…たぶん乗らないな、これからも(^_^;)

  

ホントに竹富には飲食店が増えた。
これだけ日帰り観光客が訪れる島だからねぇ。
手っ取り早い商売って気もする。

  

“なごみの塔”に上る人々。
ここからの眺望は実に素晴らしいです。
が、上り下りが結構怖い。階段が急で狭いし。

  


“世持御嶽”では何やら工事をしてました。
あ、もしかすると種取祭の準備なのかも!
来月(11月)だよね、種取祭って。

  


これ、床屋さんです。
営業時間17:00〜19:30。土日は定休日だそうです。
たぶん昼間は農業か何かをしてるんじゃないかなぁ。

  

“西塘御嶽”に設置された“平和の鐘”。
平和の鐘って結構あちこちに在るよね。
平和と鐘の関連性はよく分かりませんが。

  

“西塘御嶽”は集落の中心に在ります。
ちなみに奉納鳥居には「出征記念」の刻字が…
“平和の鐘”と相まって、ちょっとしんみりします。

  

牛!いっぱい!…ま、牧場ですので当然だけど。
手前の牛、何故か右側の角が赤く染まってる…
血?塗料?気になるなぁ。

  

 Kが「そろそろ(石垣島に)戻ろうか」と訊いて来た。僕としてはもう少し居たかったのだが、あまりKの足に負担を掛けても悪いかな、と思い、従うことにした。
 集落から港まで緩々と下り、例の『てぇどぅん かりゆし館』なる施設のベンチで船が到着するまで一服。散々「無駄な施設」だの何だのと言っておきながら、しっかり活用させていただいている俺達って…などと自己矛盾に襲われつつも、Kさんは漸(ようや)く足をじっくり休めることが出来る、と安堵した様子だった。しかも、もう帰るというこの期に及んで、いきなり天気が良くなったりして。雲がどんどん切れ始めて、青空が覗いて来た。くっそぉ!どうせならもっと早く晴れろよ〜!
 暢気(のんき)にベンチに腰掛けていると、桟橋には続々と船に乗るお客がやって来た。…もの凄い人数じゃん。100人は軽く超えてるんじゃないか?僕らは「ひょっとして、定員オーバーで船に乗れなくなっちゃうのでは?」という不安に駆られて、慌ててベンチから桟橋に移動する。まぁねぇ、そんなことはまず無いんだろうけど、とにかくそんな気持ちになるぐらいに人が殺到していたのだ。今まで僕が竹富島に訪れた中でも、これだけ観光客が多いのも珍しい。10月だって言うのにねぇ…
 桟橋に着岸したあんえい号は、ほぼ満員の乗客を乗せて石垣島へ向う。僅(わず)か10分弱の乗船時間にも関わらず、Kはあっという間に熟睡してしまった。相当疲れたようだな。って言うか、ここ一年ですっかり老け込んで無いか?やれやれ…
 

港に行きます。
何だか心なしか空が明るくなって来たような…
   

おい!今頃晴れてど〜すんだよ〜!
どうも腑に落ちないんですけど!

  

 『根原荘』に戻り部屋に入るなり、Kはゴロリと横になって、再び寝始めた。僕は仕方無く、風呂に入ったり、備え付けのコインランドリーで洗濯したりする。ついでに『コンビニシーサー』に行って、歯磨きセットなどを買い込んで来たり。そうこうしているうちに2時間が経過。ようやくKが眠りから覚め、外へ繰り出すことになった。
 美崎町の歓楽街は、まだ本稼働する時間には早いせいか、あまり人通りも無かった。…美崎町って、案外微妙な街かも知れないなぁ。地元の人が遊んだり食事するにはちょっと値が張るし、かと言って観光客が大挙として押し寄せてるような印象もあまり無い。買い物をするなら郊外型の大きなスーパーが別に在るし…僕は好きなんだけどね、美崎町。
 で、とにかくKは歩き回るのがすこぶるイヤだったようで、一旦美崎町まで出たものの、結局離島桟橋の近くに在る『山海亭』という料理屋で落ち着くことになった。この店は過去に何度か入ったことがある。Kさんはこの店がお気に入りらしい。ここで「郷土料理オンパレード!」ってな具合でゴーヤーチャンプルーだのトーフチャンプルーだのラフティだのグルクンの唐揚げだのを注文し、オリオンビール→泡盛(八重泉)と飲み継ぎ、すっかりイイ気分になった。
 民宿に戻りがてら、『コンビニシーサー』に立ち寄る。と、Kは空かさず“樹液シート”を見つけた。この“樹液シート”なるもの、御存知の方も多かろうと思うが、樹液から抽出したエキスか何かを沁み込ませたシートを寝る前に足の裏に貼り付けると、体内の老廃物を吸ってくれて、翌朝にはシートはドロドロ、「何だかよく分かんないけど効いてる感じ♪」ってな代物。ちょっと前にプチ流行したよね、確か。そんな“樹液シート”を初めて見たらしいKさんは、何の迷いも無く即購入した。果たして樹液シートが足の疲れにも効くのかどうかはさっぱり分からないが、足の裏に貼る薬品めいた物に飛び付きたくなるほど、Kさんの足疲労は酷かったようだ。
 部屋に戻ると、Kはさっさと布団を敷き、早速樹液シートを足の裏に装着し、瞬く間に寝入ってしまった。う〜む、ちょっと先が思い遣られるなぁ。初日からこんな調子では、これからの5日間、Kさんの体力が持つかどうか…
 

夕方の離島桟橋。
人がたくさん居ます。
皆さん、離島観光から戻って来たところかな。

   

さすがに午後7時になると人影も疎らになります。
でも、まだ空には僅かに明るさが残ってる…
つくづく日が長いよなぁ、沖縄って。

  


毎度毎度の美崎町。
石垣唯一の“眠らない街”(?)。
午前3時〜明け方には酔っ払い&タクシー天国と化す。

  

これは『ゆうな』という店の前。
BEGINはともかく、グッチ裕三は…?
この店と何か縁があるんでしょうか?

  

『山海亭』のラフティ。
最近、料理の写真が多すぎる気がするので、
今回はちょっと控えめに(^_^;)

  

これ、民宿の布団なんですけどね。
この上にシーツを被せて眠るわけですが…
見た目に反して案外寝心地は良かったりして。

  

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