C:2  壷屋〜マチグヮー〜沖映通り


 壺屋のやちむん通りを抜けて、そのままサンライズ通り、そして牧志の公設市場の辺りまで。日曜日のせいなのか、もう11時になろうというのに、市場の周辺はまだいつもの賑わいに至っていなかった。やや静かな印象のマチグヮーを緩々と歩き、そのまま国際通りに出る。
 …それにしても、この蒸し暑さの中を宛ても無くほっつき歩くというのは、これはこれでかなりしんどい。別段みやげ物屋を見るわけでも無く、ただ何となく久茂地方向へ進んでいたのだが、クーラーと水分が恋しくなって、たまたま通り掛かったドトールコーヒーの店内に逃げ込むことにした。
 アイスコーヒーと煙草で一服。このまま那覇の街をずっと歩いていたら、もしかすると日射病もしくは熱射病にでもなっちゃうのではないか?と一抹の不安が過(よ)ぎったりもしたが、かと言ってここでじっとしているのも時間の無駄だし。
 

壷屋のやちむん通りはここでは省略。
今回のメインは飽くまでも路地裏、ということで。
陽射しの眩しい壺屋を抜けて行くと…

  

“サンライズ通り”“平和通り”へ繋がっていきます。
どこを通っても結局は国際通りに辿り着く。
だから安心して迷子になれる。

  


サクサクと市場へと歩いて行くオバァ。
沖縄ってホントにオバァが輝いて見える。
街の中でも、畑の中でも。

  

牧志公設市場界隈のアーケードは、
上から見下ろすとかなり雑然としているのが分かる。
まるで寄生植物の幹のような。

  

 さて、そろそろ外に出るか、と腰を上げてドトールの店内から出ようとすると、表はもの凄い豪雨に見舞われていた。ゲゲッ!いつの間にこんな大雨が?!僕は途方に暮れて、しばらくドトールの店先のテントの下から一歩も動けなくなってしまった。まさしくスコール。ついさっきまでの晴天が嘘のような雨は、どうもすぐには止みそうに無い気配だ。雷がビカビカと光り、風まで吹き始める。このまま店先で雨宿りしていようかとも思ったのだが、僕は意を決して、首に巻いていたタオルで頬被りをして、大股でズンズンと国際通りを久茂地へ向かって移動することにした。が、雨脚は一向に弱くならず、仕方無しに久茂地交差点近くに在る『きょうはん』という書店に入って、地元出版書籍などをパラパラと立ち読みしながら、雨が小降りになるのを待った。
 書店の中から外を見ると、とにかく少しでも雨風が凌げるような場所に雨宿りする人が群がっているのが見えた。道に立ててあった看板などを慌てて片付ける人の姿もある。そう言えば、沖縄でこういったスコールに遭遇するのって、かなり久しぶりだ。
 結局、書店の中で雨の止むのを待っていたのだが、なかなか雨は完全には止まなかった。でも、少し無理をすれば歩けないことも無い程度の降り方になって来たので、僕は那覇の路地歩きを再開することにした。
 
 久茂地交差点から久茂地川側の裏路地を歩く。久茂地3丁目から一銀通りを超えて、さらに沖映通りまで、小雨に濡れながらゆるりゆるりと歩を進める。気になるスージグヮーを見つけると、そこに入り込む。大きな通りに出る道もあれば、途中で行き止まりになってしまう道もある。感じとしては「一歩進んで二歩下がる」チックなチータの代表曲の一節を彷彿とさせる非効率的な移動を繰り返しているだけなんだが、これがまた楽しい。雨によって一層くすんだ色味を増した路地裏は、何だか一際力強い存在感を放っていた。路地を覆う空気が濃く重くなったような気がして、見るものひとつひとつがズシッと来るような。そして、自分は絶対にここに溶け込むことは出来ないんだ、という疎外感も。
 そんなふうに、こっそりとお伺いを立てるようにして細道を歩いていると、いつしかゆいレールの『美栄橋駅』のすぐそばまで来ていた。
 

国際通りにある『ドトール』で一服。
最近ではスタバやその亜流の店も在るんだけど、
好きじゃないのです、スタバって禁煙だし。

  

で、店を出ると…ワォ!豪雨!
20分近く店先で雨宿りしたまま動けず。
さっきまであんなに天気が良かったのに…

  

やっと雨が弱くなってきたので徘徊を再開。
水を浴びてつやつやと光るブーゲンビリア。
今年の夏は台風も少なかったしねぇ。

  

急な豪雨に慌てて雨戸を締めていたお宅。
これまた実に味わい深い家屋ですなぁ。
台風のときなんかは大変かもしれないけど。

  

久茂地から牧志へ。
あちこちに誘うようなスージグヮー(小路)が。
闇雲に入って、曲がって、クネクネと。

  


はっきり言って効率の極めて悪い移動の仕方ですけどね。
素直に表通りを歩けばほんの1〜2分で済むところを、
何倍もの時間と脚力を要するわけですから。

  

スージグヮー。
極めて個的な生活道路。
余所者の僕などがうろついていいものかどうか…

   

…と言いつつもバンバン入り込む不躾な俺。
個的であればあるほどそそられるような。
これってある意味スケベ心みたいなもの?
  

奥に見えるのは『ダイエー』。
昔は『ダイナハ』だったよね、確か。
貯水タンクも沖縄ならではのアイテム。

  


鉄筋コンクリートに窓の格子。
台風上陸の多い沖縄だからこその機能性。
でも、それが不思議な味わいとなって。

  

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