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 国頭村に入って少し走ると『道の駅ゆいゆい国頭』が見えてきた。今までにも何度かその前を通ってはいたが、あっさり素通りしてしまっていた。ちょっとだけ立ち寄ってみようかと思ったのは、店頭から大音量で聴こえてくるビギンの『オジイ自慢のオリオンビール』の調べにまんまと乗せられてしまったからかもしれない。
 建物の中に入ると、お客の姿はほとんど無かった。僕以外のお客は4〜5名といったところか。充実したみやげ物屋といったふうの店内(この場合“駅内”のほうが正しいのか?)は、なかなか居心地はイイんだけどねぇ…休憩するためのソファーなんかも置かれてるし。僕が過去に訪れたことがある道の駅は“許田”だけなんだが、いつ行ってもやたらと賑わってる許田とは、ちょっと趣きが違う。許田の場合、あのゴチャゴチャとした雰囲気も店の賑わいに一役買っているのかもしれない。それに国頭はちょっと遠いしなぁ。
 少しの間、中をウロウロとしただけだったんだけど、結局名刺入れだの書籍だのを買ってしまった。こうしてまた沖縄貧乏になっていくわけね。とほほ(←死語)…
 

『道の駅ゆいゆい国頭』。
沖縄本島には幾つ道の駅があるんだっけ?
許田、大宜味、国頭…嘉手納にもあったっけ?

  

かなりみやげ物屋色の強い印象の駅内。
お客が少ないせいか店員さんもかなりだれ気味。
採算取れてるのかがちょっと心配。

  

巨大なマツボックリが売られてました。
こぶし大はあろうかというデカさ。
\450が高いのか安いのかはよく分かんないけど。

  

ミンサー織の布も当然売ってます。
織物は結構値が張りますよねぇ。
僕はミンサー織の名刺入れを購入してみました。

  

国頭以北の58号線もなかなか景色が良い。
ずっと海岸沿いを眺めながらのドライブ。
車も少なくて、実に快適。(=スピードが出がち…)

  

こわいけどルール守ればこわくない…やや腑に落ちない。
危険生物というのが妙な切迫感を煽る。
最後の標語だけが七五調じゃないのも味がある。

   

手造り風味が炸裂している看板。
その名も『山原食堂』です。
似たような名前の食堂が他にも在ったような…

  

残念ながらお店は開いてませんでした。
今日は定休日だったのかも。
ちょっと入ってみたかったのになぁ…

  

 さて、一路ズンズンと国道58号線を北上。与那を過ぎ、茅打ちバンタを通り越し、辺戸岬を脇目に車を走らせ、“奥”の集落に到着した。ここには58号線の起点があって、その道標や石碑も立っている。こういうのを見ると「ああ、ついにここまで来てしまったかぁ…」などと、意味も無く感慨に耽ってみたり。
 しかし、この奥の集落界隈には“国道の起点”という言葉の持つ気概や息みはまったく皆無。辺りはさながら時間が止まってしまっているかのように静かで穏やかだ。ひょっとすると、離島の集落でさえ上回るかもしれないほどの長閑(のどか)さ。いや、ことによると長閑さを超えてちょっと寂しいと思えるぐらいだ。
 “奥湾”へと注ぐ“奥川”という川の河口沿いに伸びる細い砂利道を何となく歩いていると、『海山木(みやぎ)』という茅葺き屋根の民宿の前に差し掛かった。「…う〜む、少々演出過多って気がするなぁ…」などとその民宿を眺めていると(関係者の皆さん、すみません)、いきなり猛烈な勢いで犬に吠え立てられた。声の聴こえる方を見ると、民宿の庭から小型の白いワンちゃんがギャンギャンとこちらに向かって吠え捲っている。「はいはい、すみませんねぇ、さっさと立ち退きますので」と民宿の前から58号線に引き返すと、その犬が庭から出て来て、道端をフンフンと匂いを嗅ぐようにしてヒョコヒョコと僕の後を追うように歩いて来る。僕が犬に近づいてしゃがみ込むと、さっきまで吠えていた犬とは思えないぐらいに尻尾を振りながらこちらにやって来て、クンクンと僕の差し出した掌(てのひら)やら膝やらに鼻を押し付けてきた。僕はすっかりムツゴロウ氏気分になって、犬の体を滅茶苦茶に摩(さす)り倒す。「お〜、可愛いねぇ、は〜い、よ〜しよ〜し、良い子だ良い子だ」などと語り掛け、腹と言わず背中と言わず、とにかく揉みくちゃにしてみる。と、最初は気持ち良さそうに為すがままになっていた犬も、さすがにだんだん鬱陶しくなってきたらしく、僕の手を逃れてそのまま奥の集落の外れにある“奥港”の方向へとさっさと歩き出してしまった。どうやらこの犬は僕に懐いていたわけでは無くて、単に散歩をしたかっただけみたい。
 …まぁイイか。僕も犬の後を追うようにして港の方へ歩いてみることにした。犬は可愛い足跡を立てながら堤防沿いのアスファルトの道を歩いて行く。で、コイツが結構素早い足さばきで、僕はすっかり置いてけ堀を食わされてしまった。港へと行く犬の姿を見送りながら、僕は方向を変えて集落の中に入ってみる。
 

いきなりベタな感じで心苦しいんですけど、
これが国道58号線の沖縄側の起点。
ここが起点とすると那覇の明治橋辺りが終点?

  


58号線は奄美大島、種子島、鹿児島へと続いてるらしい。
海を越えて繋がる国道。
もちろん海底に道路があるわけじゃないです。

  

そこはかとなく漂う気概と誇り。
とは言え、この界隈はとてつもなく静か。
起点はぽつりと静かに在りました。

  


で、この先に続くのは県道70号線。
東海岸沿いを走る道路ですね。
橋の下は奥川の河口。

     

58号線の起点であると同時に、
県道70号線の起点でもあります。
しばらくは、ここ“奥”の集落を散策しよう。

   

橋のたもと、河口沿いに伸びる道。
川はそのまま“奥湾”へ、太平洋へ繋がる。
誘うような轍。

  

ふたつの起点が重なる橋を見たところ。
“奥橋”っていうんだそうです。
まさに奥尽くし。

  

この花は…
う〜んと…
分かりません。

  

『海山木(みやぎ)』という民宿。
藁葺き屋根ってのがユニークかもしれない。
赤瓦じゃなくて。

   

そこで飼われている(?)犬。
人の気配がすると猛烈に吠えまくる。
が、気配を消してまどろむ表情を激写!

  

さっきは散々吠えてたのに、案外人懐っこい。
僕の後をヒョコヒョコとついて来ました。
何か好かれちゃったかな?

  

…と思いきや、犬はさっさと“奥港”方面へ。
どうやら散歩に出かけただけらしい。
犬の後を追って奥港の方へ僕も移動してみます。

  
 
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