イラヨカナシャ
 

 朝、起きてみると空は多少雲があるものの、まずまずの天気だった。よっしゃ〜!伊良部島&下地島に行くぞ〜!
 午前8時25分発“フェリーゆうむつ”伊良部・佐良浜行きに乗るべく、レンタカーをすっ飛ばして平良港に行き、乗船券売場で車諸共乗船する手続きをし、すでに着岸しているカーフェリーに意気揚揚と乗り込む。…って、ちょっと意気込み過ぎたみたい。まだフェリーには他の乗客は誰も居らず、それから 10数分間僕の貸し切り状態に…。まぁ、考えてみれば、こんな早朝に宮古から伊良部・下地へ行く用事がある人って少数派なのかもしれない。逆に伊良部・下地から宮古にやって来る人は若干多いのかもしれないが。
 港では、地元の人たちがせっせと荷降ろしをしたり自家用車に荷を積み込んだりしては居たが、辺りはまだまだ静かで半分眠っているような空気。僕はフェリーの甲板の上から、しばらくそんな港の様子をぼんやりと眺める。
 久しぶりに上陸する伊良部島&下地島。7年ちょっと前の初上陸のときには、ホントにいろんなことがあって、とても印象深い島だ。が、これだけの歳月が流れると、記憶が薄れてしまっている部分があるのも確か。再び訪れる伊良部と下地に思いを馳せていると、だんだんと気持ちが高まっていく。楽しみだなぁ〜♪
 まだ角度の低いところから照る太陽を浴びて、船はいよいよ伊良部島の佐良浜港に向けて出航。伊良部に船が近づくにつれて、海の色がどんどんと明るく、そして濃くなる。何とも表現し難い不思議な色だ。単に“青”とか“水色”とか“緑”とか、そういう色彩感覚では捉えられない微妙な色。そんな海を見ているだけで、無性にワクワクしてくる。
 

早朝の下里の街。
ここからは公設市場も見えます。
まだ街は半分眠ってる感じですね。

  

午前8時の平良港。
伊良部から来た荷物を降ろしたりしてますが、
ここもやはりまだ半覚醒っぽい雰囲気。

  

“フェリーゆうむつ”船内。
かなりリーズナブルな佇まいですね。
あ、誰か傘を忘れてる!(写真右端)

  

操舵室を覗いてみる。
何故か地元のスーパーのチラシ広告が…
平良で買い物でもする予定なんだろうか?

  

朝陽が海面に反射して眩しい。
朝特有の澄んだ空気に包まれて心地良し。
風も弱く、波も穏やか。

  


大型バスも乗船して来ました。
が、乗客は居ません。
観光バスなのか、路線バスなのか。

  

フェリーに揺られること約20分、伊良部島が間近に。
島の上のほうに“牧山展望台”が見える。
鳥(サシバ)の形の白い展望台ね。

  

伊良部島・佐良浜港。
いよいよ伊良部に到着!
7年ぶりに上陸。ワクワクしますなぁ。

  

この海の色!まだ9時前なのにこの青さ。
これが昼になるともっと明るく光り出します。
今日は1日とことん海の色を堪能する決意も鮮に。

  

さ〜て、行くぜよ!伊良部&下地へ!
今日の俺様はすこぶるハイテンションなのだ。
先月の沖縄旅行がまるで嘘のように(^_^;)

  

 約25分で佐良浜港に到着。…あれ? 7年前に伊良部に来たときと船の発着する場所が違ってる。以前はもっと北側の、ちょうど集落の入り口に程近い場所だったのに…。ひょっとして、前回と今回では船会社が違ってたのかな?(宮古⇔伊良部を航行しているのは、僕が今回利用した宮古フェリーとはやて海運の2社)…まぁイイんですけどね。
 港を回り込むようにして島の中へと進む途中で、以前来たときの船の発着場だったはずの場所に差し掛かった。『伊良部町離島振興総合センター』という古めかしい建物は7年前と同じように港に面して建っていた。何だかちょっと懐かしいなぁ。7年前はここで路線バスに乗り、“渡口の浜”を目指したっけなぁ…(そのときの事の顛末は『沖縄エッセイもどき』に書いてありますので、お暇だったら読んでみてください)などと少々追憶モードに入ってみたり。しかし、それにしてもこのセンターの周辺はずいぶんと殺風景で寂しい感じ。以前はもう少し活気があったような気がするんだけど…やっぱり、船の発着場が変わったせいなのかな?確かこのセンターの1階部分にちょっとしたおみやげ物屋なんかも在ったはずなんだけど。
 そんな総合センターを左に見ながら佐良浜地区に入り、いよいよ本格的に伊良部島巡りを開始!
 港のそばに在る佐良浜の集落は、恐らく伊良部では一番栄えている地域なのだろう。港から坂を上るとちょっとした商店街のような所も在る。が、かなり鄙びた雰囲気だった。人口約7000人強。これって沖縄の離島の中ではかなり多いほうだと思う。例えば久米島は約9000人、西表島は約2000人。そう考えるとその規模に対してやや商業地が少ないように思えるのは僕だけ?いや、べつに商業地を増やすべきだ、というわけじゃなくてさ。もっとも、恐らく島の人たちは日用品などはともかく何かまとまった買い物をする場合、宮古に出て行くことが多いのかもしれないけどね。
 佐良浜の集落を抜けて行くと、途端に辺りには畑が広がり出す。あ〜、島に来たんだなぁ、としみじみした気持ちになる。
 空の青、樹木や畑の緑。その中を伸びる道路はほとんど車も走っていない。実に快適な気分である。鼻歌なんか歌っちゃったり。…しかし、こういう状況でつい口ずさんでしまうのが大抵『北国の春』なのは、自分でもどうかと思う。ここってむしろ南国だし。
 

7年前は確かここにフェリーが接岸してたはず…
今はここから離れた新しい発着場がメインみたい。
ちょっと閑散としていて寂しい感じ…

  

この建物の前で路線バスに乗ったんだよねぇ、7年前は。
今日はレンタカーで移動するわけですけど。
なんか、以前にも増して寂れてます。

  

この計画、少なくとも10年前からずっと取り沙汰されてる。
このご時世、実現するのはかなり難しいのでは…?
どの程度のメリットがあるのかも微妙って気がするし。

  

…まぁ、べつにイイけどね。
とにかく伊良部島でのドライブ開始〜!
…あれ?この道路ってこんなに綺麗だったっけ?

  

佐良浜の集落。恐らく島の中心部。
ここ以外の集落は下地島寄りに固まってる。
でもかろうじて商業地と呼べるのはたぶん佐良浜ぐらい。

  

集落の外はこんな感じの風景が続く。
車もあまり走ってないので、快適ではある。
街灯が無いから夜は真っ暗だよね…ちょっと怖いかも。

  

 畑に囲まれた舗道を“佐和田の浜”方面に向かって走る。ちょうど伊良部島を横断する格好になるわけだけど、実は3km程度 しか走ってなかったりする。ものの数分で“佐和田の浜”に着いてしまった。“佐和田の浜”は、かなり遠浅で岩がゴロゴロと転がっている浜だった。砂浜の一部分はコンクリートで階段状に護岸されているが、全体的に素朴な感じのする浜辺だ。
 浜の北端側に展望台兼休憩所のような小さな東屋があって、そこに真っ黒に日焼けした(地黒かもしれないけど)オジィがふたり座っていた。どうやらそこで何やら世間話めいた砕けた会話を交わしているようなのだが…いかんせん言葉がさっぱり分からない!まるでフランス語でも話しているんじゃないの?と思ってしまうほど、会話の内容が理解不能。…まぁね、伊良部に限らず、僕は沖縄の島々の方言にはあまり明るく無いので、殊更伊良部の方言を難解だと揶揄してるわけじゃないんだけど…
 僕が距離を置いてオジィたちの会話に聞き耳を立てていると、不意にオジィたちと目が合った。一瞬ギョッとしたが、「おはようございます…」と挨拶をしてみる。すると、ふたりのオジィはニッコリと笑って「おはようございます」「宮古から(来たん)ですか?」などと気さくに返してくれた。
 う〜む、さっきの会話と打って変わって聞き取りやすい標準語…方言と標準語を巧みに(?)操ることが出来る地方の方々って、何だか尊敬しちゃうよなぁ〜。たぶん僕も普段から完全な標準語を喋っているわけでは無いとは思うけれど、自分の話し言葉を意識することって滅多に無い。恐らくこのオジィたちもそれほど強く意識して言葉を使い別けているわけじゃないのだろうが…
 この浜の周辺の集落では、地元の人とよく擦れ違った。歩いている人よりもスクーターに乗ってる人の方が多かったけどね。みんな比較的低速で走っているので、車を停めてボケ〜ッと歩いている僕と会釈や軽い挨拶の言葉の遣り取りは出来る。ってまぁ「おはようございます」くらいしか言えないんですけど。それでも、こうしてどこの馬の骨かも分からない僕に、笑顔で挨拶を返してくれるのがとてつもなく嬉しい。きっと旅慣れた人からすれば、こんなのは“触れ合い”の“触”の字にもなってない程度の些細な遣り取りだろうとは思うが、何気ない挨拶ですっかり心地良くなってしまう単純な僕。まったく笑ってしまうほどリーズナブルなヤツではある。
 
 さて、次は“渡口の浜”だ。7年ぶりの浜辺は一体どんな感じなんでしょうかねぇ〜。
 

“佐和田の浜”にはノッチ岩がゴロゴロと。
砂浜は整備されてたりしました。
…整備された砂浜って個人的にはちょっとね…

  

素足で海に入り、何かをせっせと獲っているアンマー。
海草なのか、海なのか、魚なのか。
…12月ですよ、今。いかに暖かいかが分かるよねぇ。

  

佐和田集落に在る“仲御嶽”。
この集落の豊年祭にとって重要な場所でもあります。
コンクリートの質感と椰子の木がなかなかイイ感じ。

  

多くの離島にとって重要な問題、水源確保。
こういう灌漑関係の施設が幾つか在りました。
農業を営む人も多いだろうしねぇ。

  

何気なく見過ごしてしまいがちなサトウキビ畑。
これだって当然様々な苦労の賜物なのだねぇ。
そう思うと実に尊いものなのだと改めて痛感したりする。

   

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