人もうっとり、牛もうっとり。孔雀は…


 というわけで、『はいむるぶし』にやって来ました。
 前に来たときは、とにかくそのスケールの大きさと、敷地内に飼育(?)されている動物の類にただただ圧倒されるばかりだった。ひょっとすると、沖縄には他にも『はいむるぶし』と同じぐらい、もしくはそれ以上のスケールを誇るリゾートホテルがあるのかもしれないけど、さすがに敷地内で孔雀や水牛を飼ってるところは無いんじゃないか?
 どうもこの手のリゾートホテルに縁が無い僕は、用も無いのに敷地内に入り込むのにものすごい抵抗感があるのだが、ここにはビジターも利用可能なプライベートビーチもあるので、たぶん部外者が入っても大丈夫なんでしょう。ホントは分かんないけど。
 
 レンタカーを『はいむるぶし』の近くの道路にちょっと路上駐車させてもらい、さっそく中に入ってみる。
 入るといきなりホテルの従業員みたいな女性と鉢合わせ。僕はギクッとする。「ちょっとアナタ!宿泊客でも無いのにここに入っちゃダメでしょ!」などと注意されたりしたらどうしよう、と少しビビったが、女性は満面の笑みを浮かべて「こんにちは〜」と挨拶してきた。…よかった、追い出されなくて。僕も笑顔で挨拶をして、本格的に内部を探索。
 ここの宿泊施設は、すべてコテージ風の建物になっている。1棟にいくつかの部屋があって、それが遊歩道沿いに建ち並んでいる。その佇まいは“豪華”というよりはむしろ、不思議とアットホームな雰囲気だったりする。さっきの『コーラルアイランドリゾート』の“別荘地”っぽい感じとは微妙に違って、スペースの使い方もゆったりとしているし、何となく解放感がある。まぁ、その辺は好みの問題って気もするけど。
 しかし!ここでいちばん僕が注目したいのは、そんなコテージ風な部屋じゃなくて、やっぱり“動物”!
 この『はいむるぶし』には、“ふれあい牧場”だの“ヤシガニ・ハウス”だの“水牛池”だのといった、「それってホテルに必要なんですか?」ってな感じのスペースがいろいろと存在しているのだ。
 
 園内に入って、間もなくお目見えするのが“ふれあい牧場”。ここには馬・ヤギ・ウサギなどの動物が居る。それと孔雀。…もっとも孔雀は、ふれあい牧場じゃない場所でも放し飼い状態でウロチョロしてるんだけど。何でも、ここには約400羽もの孔雀が居るらしい。…凄すぎる!まるで孔雀天国!
 さすがに“ふれあい牧場”と言うだけあって、数名の子供たちが動物たちと“ふれあって”いた。とくにウサギは何故か大人気で、子供らが寄って集(たか)ってウサギに構う。
 しかし…やっぱり孔雀だね、『はいむるぶし』の主役は。(←個人的見解)

 そして、さらに先へ進んで行くと、“水牛池”なる南国ムード満点の池に辿り着く。ここには、その名のとおり、水牛が2頭居る。で、池の周りにはアヒル、ガチョウ、カモ、七面鳥などがワサワサと群れている。これって、“リゾート”っていうより、観光牧場なんじゃないの?という勢いで動物と接近できる。
 肝心の主役・2頭の水牛は、池の中に体を沈めていた。…暑いから?水に浸かって涼を取っているのだろうか?
 ジッと身じろぎもせず、水の中に大きな体のほとんどを浸からせて、目を閉じて…その様子はまさに「温泉に浸かっている人」を彷彿とさせる。恍惚とした表情を浮かべている水牛。そんなに気持ちがいいのか?水牛よ。
 しばらく、僕は入水している水牛を眺めていたが、ピクリとも動かないオブジェのような水牛を見ていても、それほど面白いもんじゃない。…それじゃあね、水牛。あんまり長く入ってると体を冷やすぞ。
 

小浜を…いや、沖縄を代表する一大リゾート。
極上なリゾート・ライフを貴方に!
ついでに動物との触れ合いも…

  

大雑把すぎな案内板。
かなり広い敷地なので歩いてビーチに行くのはキツい。
…では、勝手に侵入しちゃいましょ〜。

   


わ〜い!リゾートな雰囲気!
椰子だか棕櫚だかの木がズラリと並んで。
コテージ風の宿泊施設も立ち並ぶ。

  

南国ならではの演出ではある。
北国で“リゾート”って、あんまり聞かないし。
ヤシガニ、居ないかなぁ?

  

ほら、孔雀。
放し飼いですっかり油断してる感じ。
奥の小屋には馬も居る。

   

ヤギの群れ。草を食ってます。
ちょっとした牧場チックな光景。
ホテルの敷地内だと言うのに…

  

ハス(睡蓮?)が水面を覆う池。
『東南植物楽園』を彷彿とさせる眺め。
ちなみに、この池は『水牛池』っていうらしい。

  

『水牛池』というからには、当然居ますね、水牛。
アヒルやガチョウも居ます。
水牛、水に入ってますねぇ。

  

…動きません。
水に浸かってジッとしてます。
よほど暑いのだろうか。

  

この恍惚とした表情。
…寝てるのか?
温泉に浸かるじいさんのような印象。

   

ヤギを撮ろうと思ったのに!
孔雀がしっかり画面を横切りやがる。
「俺を撮れよ!俺を!」

  

ハイビスカスが咲き乱れる。
でも、こういう写真ってデジカメの性能が分かるよね。
結構限界ギリギリ、って気がする(^_^;)

  

 それにしても、くどいようだがここは広い!総敷地面積約158万平方メートル!なにしろ小浜島全体の1/5を占めるほどの広さ!東京ドーム約38個分!(←この例えっていまひとつピンと来ないけど…) つまり約48万坪!(ますますピンと来ない) 
 これだけ敷地が広いと、客室や中にある施設との行き来が大変。なので、お客さんはみんなカートを使って移動している。でも、宿泊客でも何でも無いくせに紛れ込んでいる僕には、当然そんな便利な移動手段など無い。仕方なく徒歩で移動しなければならないわけだけど、時間が経つに連れて次第に陽射しが強くなってくるし、道はダラダラとどこまでも続いているしで、だんだん歩くのがイヤになってくる。
 ホントは“農園”や“蝶ハウス”や“ヤシガニハウス”などといった、これまた「なんじゃそりゃ」なアトラクションの数々を見たかったんだけど、島を発つ時間の都合もあったし、それよりなにより歩いて行くのが面倒になってきたので、僕はとりあえずビーチを目指すことにした。
 
 宿泊客以外の人でも利用できる『はいむるぶし』のプライベートビーチに行く途中に、海へと下る階段のようなものが見えた。これを見て、僕はふと考えた。「どうせプライベートビーチまで行ったところで、施設利用料(確か\1,000ぐらい)を払ってまでビーチに入る気は無いしなぁ…どうせ見えるのは同じ海なわけだし。よし、ここで手を打とう」
 僕はビーチまで行くのをやめて、この小さな砂浜から海を見ることにした。
 狭い階段を下りて行くと、広々とした海が広がっていた。砂浜はそのままプライベートビーチまで繋がっていて、それほど遠くないところに、お客さんで賑わっているビーチが見えた。が、こちらの砂浜には誰も居らず、至って静かだった。
 “いかにもリゾート”な感じの、活気のあるビーチで過ごすのもそれはそれで楽しいんだろうけど、僕にはこんな静かで鄙(ひな)びた砂浜のほうが性にあってる。…まったく、自分でも情けなくなるぐらいに、僕はリゾートと反りの合わない人間らしい。デッキチェアーか何かでサングラスなんか掛けながら、得体の知れないカクテルか何かを片手に本を読む―― な〜んていう、コテコテの設定に自分が置かれているところを想像すると…爆笑モンだよ!未来永劫そんな状況になることは無いね、絶対。ってまぁ、こんな絵に描いたような“リゾートを満喫する優雅なイメージ”を実際に実行してる人なんて、そうそう居ないとは思うけど。
 
 …さて、そろそろ『はいむるぶし』から出て、もうちょっと島の中をのんびりと廻ってみたいかなぁ。というわけで、僕は砂浜から遊歩道に戻り、来た道をトボトボと引き返す。
 途中、宿泊客を乗せて港へと向かう送迎バスが僕を追い抜いて行った。そのバスの窓から僕に向かって手を振る子供たち。一瞬「何で俺に手を振るんだ?」と困惑するも、子供に失望感を与えてしまうのは善くないと思い、少々気恥ずかしかったがヘラヘラと笑って手を振り返した。きっと、この子供たちはそれぞれに楽しんだんだろうね、『はいむるぶし』で過ごした時間を。動物と触れ合い、豪勢な料理を食べ、海で遊び…。良い夏休みの思い出になるとイイね。“夏休みの絵日記”とか“夏休みの思い出の作文”とか、そういう宿題がもしあるのなら、もうテーマは『はいむるぶし』でバッチリだね!お兄さんはねぇ、小学4年生のときに書いた『夏休みの思い出・リスザルに襲われて』という作文で、何故か表彰状をもらったことがあるんだよ〜。そのときに副賞(?)として頂戴した“電動えんぴつ削り機”にねぇ、ボールペンを無理矢理突っ込んでぶっ壊しちゃってねぇ、親にこっぴどく叱られたんだよ〜。…イヤな思い出じゃん。
 結局、その頃の自分と今の自分との間に、それほど差が無い、ということに気づき、かなり悲しい気分になる。未だに僕はこうして、旅先で出会ったり、自ら巻き起こした騒動を人前に晒しているわけだもんなぁ…
 
 『はいむるぶし』から脱出すべく、炎天下をのっそりと歩いている僕の脇を、例によって孔雀がチョロチョロと徘徊している。そのとき、遊歩道の脇に鳥のエサの自動販売機が立っているのに気づいた。…孔雀に食わせてみるか。
 僕はさっそくエサを買う。と、とたんに2羽の孔雀がサ〜ッと近づいて来た。す、素早い。僕がエサを手に取って腰を屈(かが)めると、猛烈な勢いでエサを突付きだす2羽の孔雀。エサのみならず、僕の手のひらまでも豪快にくちばしで抉(えぐ)ってくる。その痛さで反射的にエサを地面にぶちまけてしまった。エサを与えようとしていた俺様など完全に無視して、地面にこぼれ落ちたエサを一心不乱についばむ孔雀を見下ろしつつ、「…孔雀って、食用にならない鳥なのかなぁ…?」と思う。考えてみれば、普通巷(ちまた)で“鳥類の肉”として売られているのって、ニワトリぐらいだもんなぁ。それ以外で食用として食べられている鳥と云うと…七面鳥でしょ…時と場合によってはスズメとかハトとか…北京ダックとか…ツバメは“巣”だし…ダチョウは鳥類だっけ?…
 案外、鳥類って食用としてあまり活用されてない動物なのかも。もしも孔雀が食べられるのならば、これだけ孔雀が居るんだから“はいむるぶし名物・孔雀鍋”とか“孔雀そぼろランチ”とかがあっても良さそうなものだが…もちろん、アクセントとしてあの絢爛な羽根をトッピングしてさぁ。
 そんな、残酷かつ下らない空想をしながら、『はいむるぶし』を後にする。
 

敷地内はこのカートで移動。
何しろ広いからねぇ。無理もない。
ビジターにも貸し出ししてくんないのかなぁ〜。

  

…という親切な台。
こういう台があちこちにあります。
じゃあ、さっそく撮ってみようか。

  

仰せのとおり撮ってみましたが…
べつにどおってことない写真じゃんか。
腑に落ちないよ…

  

テニスコートも完備。4面ぐらいあったかな。
プレイしてる人も居ましたよ。
宗方コーチ!!

  

ゴルフ場もあります。
なんか、かなり全体的にラフな感じ。
僕はゴルフって、ぜんぜん詳しくないけど。

  

小さなビーチ(?)への階段。
プライベートビーチに行く途中にありました。
ちょっと降りてみよう。

  

誰も居なくて快適!
まったく静かで穏やかな海。
…シーズン真っ盛りなのにね。

  

誰も海で遊ばないんだろうか?
僕としては、静かな海はうれしいんだけど。
と、視線を遠くに向けてみると…

  


向こうに見えるプライベートビーチには人がいっぱい!
混雑したビーチなんて、なぁ…
ちょっとした優越感に浸った瞬間。

  

しばしの間、海を堪能した後は…
来た道を戻らなくちゃならないわけだ。
…道のりが長い。ちょっと気が滅入る。

  



Movie

小さな砂浜の様子。
打ち寄せる波。
「…だからどうした」と言われると…困る。

 
  
 
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