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多良間・四日目


 7月6日、朝。
 朝食を食べ終わって少しロビーに残って居ると、となりに居合わせた男性が、話し掛けてきた。
 「今日は飛びそうですね、飛行機」
 爽やかな笑顔でそう言う男性に、僕も爽やかな笑顔で答える。
 「そうですね。でも、僕は乗れるかどうか分からないんですけどね」
 「…あ、ひょっとして、座席を取れなかったとか…」
 「そのとおり!なので、これから空港に行って、キャンセル待ちをして、無理そうだったら、2時にフェリーが出るらしいんで、それに乗って帰ろうかと…」
 「大変ですねぇ。旅行で来たんですか?」
 「はい。あの、そちらさんは?」
 「あ、僕は仕事で…明後日に宮古に戻るんですけど。定期的に多良間に来て家畜の検診をしてるんですよ」
 この男性は、本島出身の獣医さんで、今は宮古で仕事をしているのだそうだ。肌の色も白いし、顔もいわゆるウチナンチュー顔じゃなかったので、てっきり本土の人かと思っていた。
 僕らはしばらくの間、あれこれと話した。
 話題は、台風のことや飛行機のことなどに始まって、沖縄の県民性や地方行政の矛盾などと言った硬いテーマにまで至った。とくに獣医さんは、“沖縄の問題点”について、かなり熱く語っていた。僕はその熱気に圧倒されて、相槌を打つのが精一杯の状態。…彼の言うことには、確かに共感できる部分もあった。でも、こんな朝早くから話す内容じゃない気もする…でも、この獣医さんが、とても沖縄のことを強く思っていて、愛していることは伝わって来た。
 「あ、すみません。何だかすっかり話し込んじゃって。僕はそろそろ仕事に行かなくちゃいけないので…」
 獣医さんは、そう言って部屋に戻ろうとした。僕もそろそろ宿を出る準備をして、空港に向かわないといけない。
 「じゃあ、気をつけて帰ってください」と、またしても爽やかな笑顔で言う獣医さんに、僕も笑顔で「はい。でも、ひょっとすると、またここでお会いすることになるかもしれないですけどね…」と言った。獣医さんは笑いながら部屋に戻って行った。
 …さて、僕も一旦部屋に戻るか。
 と、おばちゃんが僕の顔を見て、「あれ、ささきさん。どうするの?今日お帰りになるの?」と訊ねてきた。
 「これから空港に行って、キャンセル待ちしようかと思ってるんですけど…」
 「じゃあ、少しでも早く行かないとダメよ〜。マスターに空港まで送ってもらって」
 “マスター”というのは、おそらくこの旅館の息子さんだと思われる男性だ。とても人懐っこい感じの人なのだが、一方的にガ〜ッとしゃべってくるので、相手をすると結構疲れる。
 「…でも、キャンセル待ちだと望み薄いでしょ?だから、もしも飛行機が無理そうだったら、フェリーに乗って宮古に出ようかと思ってるんですけど…」と僕が言うと、おばちゃんはきょとんとした顔をして、
 「え?今日はフェリーは多良間に来んよ。明日になるはずよ〜」と言った。
 「ええっ?!だって、昨夜、多良間海運に電話で問い合わせたら、今日の2時に普天間の港を出る便があるって…」
 「いやいや、そんなはず無いなぁ。…ちょっと今、電話で聞いてみるから」
 そう言っておばちゃんは、さっそく多良間海運に電話してくれた。
 「やっぱり、今日に多良間を出る船は無いって」
 何だとぉ〜?!じゃあ、昨夜のあの覇気の無いアンニュイな女が言っていた情報は、間違いだったってこと?!おい!ふざけんなぁ〜!!
 「急いで支度しておいで。すぐに空港に行かないと」 おばちゃんに急かされて、僕は大急ぎで部屋に戻り荷物をまとめ、再びロビーに戻った。一応、今日までの宿泊代を精算し、「これでいつでも出発準備OK!」な感じでスタンバイ。
 「あ、そうだ。ささきさん、ちょっと待っててね。他にもう1組、一緒に空港に行くお客さんが居るから」
 そう言っておばちゃんは、「Kさ〜ん、Kさ〜ん!」と名前を呼びながら、2階へと上がって行った。“Kさん”…それは、例の“友人K”と同じ姓名だった。2階での遣り取りが、筒抜けで聴こえてくる。
 「あ、Kさん。これから空港に送りますから、支度して下に降りて来て〜。…あれ?ご主人は?」
 「あ〜、今、ちょっとお風呂に入っちゃってるんですけど…」
 「え〜、お風呂?」
 「でも、もう出て来ると思いますから…」
 …どうでもいいけど、もしかすると“K”という姓名の人って、マイペースな人が多いのかもしれないなぁ。友人Kを筆頭に、たとえば“K桃子”とかさぁ…
 おばちゃんは一旦下に戻ってきて、僕にもう少しだけ待って欲しいと言う。べつに構いませんよ、僕は。
 Kさん夫妻を待っている間、僕はおばちゃんと少し話した。この旅館にももうすでに“八月踊り”の日程に合わせて予約が入っているとのことだった。やっぱり、観たい人が多いんだねぇ、八月踊りって。
 「これに懲りないで、またどうぞ多良間にいらっしゃいね。今度は八月踊りのときにでも…」と言うおばちゃんに、
 「いや、また宿に戻ってくる運命になるかもしれませんから…飛行機に乗れない場合には。あ、そのときはまたここに泊まれます?」と僕は答える。
 「あ〜、そうだったわねぇ。大丈夫、部屋は空いてますから、戻って来ても泊まれますよ〜」とおばちゃんは笑った。…笑い事じゃないんだけどね、ホントは。
 10分後、Kさん夫婦が1階に降りて来た。「ごめんなさ〜い、お待たせしちゃいまして」…ご主人は、きっと慌てて風呂から出て来たのだろう、まだ髪の毛が湿気ていた。
 「あ、全員揃いましたね。じゃあ、外に車を回してありますから、乗ってください」
 「それじゃあ、お世話になりました〜!」
 僕らは、何だか必要以上に慌しい気持ちで、マスターの運転する車に乗り込んだ。…何だか、別れの余韻もへったくれも無い、バタバタとした感じになってしまった。見る見るうちに集落を抜け、車はグングンと畑の中を空港目指してひた走る。
 …でもさ、考えてみれば、ことによってはこの道を引き返してくるハメになる可能性だってあるわけだ、僕の場合。飛行機に空席が無ければ、明日、いや明後日までこの島に居ることになるかもしれないし…
 まだ、多良間を離れることで感傷に浸るには時期尚早だ。それは、僕が無事に多良間を脱出できることが確定した瞬間まで、取って置くことにしよう…
 

…耳が痛い。
人は真心で動かすのかぁ…
じゃあ、飛行機は?

  

 車が空港に着くと、マスターは「ちょっと寄るところがあるから〜」と言って、僕とご夫婦を降ろしてそのままどこかへ行ってしまった。
 さて、僕はさっそくカウンターに行き、キャンセル待ちの手続きを遅ればせながら済ませる。
 「え〜っと、…32番ですねぇ」 “32”と書かれた紙片を手渡されて、僕は改めて「ダメだこりゃ」な気分になる。しかし、その一方で「もしかすると…万が一…運がよければ…」という極薄な希望も無くは無い。僕はこのまま空港で、キャンセル待ちをすることにした。
 まだ、午前9時前。最初の便が11時20分。…時間がだいぶあるなぁ。
 僕はご夫婦の隣りに座って、少しため息をついた。二人は僕のキャンセル待ち番号を見て、苦笑している。僕もそれに応えるように苦笑した。
 「…32番かぁ。ちょっと大変ですねぇ…」 ご夫婦の奥さんのほうが、ぽつりと言う。
 「そうですよねぇ…なんか、ほぼ絶望的って言うか…」 僕は紙片を見つめて、ヘラヘラと笑った。
 「でも、大丈夫かもしれないですよ。私たちみたいに、一応予約を入れておいて、キャンセル待ちも一緒にしてる、っていう人も多いだろうから…」
 「へ?なんですか?それ?」
 ―― つまり、このご夫婦は、今日の3便の席の予約を無事取ることが出来た。でも、今日の夕方に那覇で友達と会う予定になっているので、1便でも早く那覇に戻りたい。だから、一応3便の席は確保しておいて、それと併行してキャンセル待ちもする。で、もしもキャンセル待ちで1便か2便に乗れるようだったら、チケットをそちらの便に変更してもらう、というわけだ(って、説明がヘタクソですみません)。
 「…だから、案外キャンセルがたくさん出るかもしれないですよ」と、ご夫婦は言った。なるほどね〜、そういうしくみになってるのかぁ。
 このご夫婦は、キャンセル待ち番号5番と6番。恐らく3便よりは早い飛行機に乗れそうだ、と言うことだった。

 いずれにせよ、今日は無理でも明日辺りには何とかなりそうかな…という淡い期待が湧いてきて、少しだけ元気になった僕。最初の飛行機が到着するまでの時間、僕とKさん夫妻は、あれやこれやと話し込んだ。
 なんでも、このご夫婦は、去年まで仕事の関係で那覇に住んでいたらしい。で、少し早めの夏休みをとって、多良間に来たということだった。今日の夕方に那覇で会う友達、というのも、その頃に知り合った人や、職場の人たちらしい。
 「多良間には、最初2泊3日の予定だったんですよ。7月3日の最終便で宮古に戻る予定だったんですけど…目の前で欠航が決まっちゃって…ホントはもっと他の離島も回る計画だったんですけど、ぜ〜んぶキャンセルすることになっちゃったんですよね」
 この“7月3日の最終便”ってヤツが、つまり僕が多良間入りしたときに乗ってきた9人乗りの飛行機だったのだ。僕を多良間で降ろした後、折り返し宮古に戻るはずの飛行機が、実はそのまま欠航になってしまっていた、というわけだ。
 「思いもよらず、多良間に5日間も長期滞在することになっちゃって…(笑)。でも、休みはまだ少しあるんで、これから取り返さないと」
 「そうですよねぇ。…多良間に5日間じゃあ、結構きびしいですよねぇ」
 「最初の2日で、もう島のほとんどを見て周っちゃったんですよ。だから、それ以降はすることが無くて…」
 「小さな島ですもんねぇ…あ、“ぱなぱんぴん”がありますけど、よかったら食べます?」
 「あ、いいです〜。島に居る間に、もう4袋も食べちゃったんで、アハハ。…ところで、そちらはやっぱり夏休みで?」
 「いえ、普通の連休だったんですけど…3日に島に来て、4日には東京に戻るつもりでいたんですけど…」
 「えぇ〜?!それは大変じゃないですか。…学生さんですか?」
 「…一応、会社員なんですけどね…会社、クビになりそうな勢いですよね、こんなに休みを延長しちゃあ…」
 といった感じで、お互いの事情はもとより、沖縄の話や離島の話など、あれこれと雑談。おかげで時間が経つのがとても速く感じられた。
 しかし、旅館に居るときにはまったく会話を交わすことも無かったのに、まさか空港で、キャンセル待ちをしながら、こんなに長い時間話すことになろうとは…
 「あ、でもほら、ここでキャンセル待ちしてる人のほとんどが、『ちとせ旅館』に泊まってた人だ」と、ご主人のほうが言う。
 改めて周囲を見ると…ホントだ。空港ロビー内は、『ちとせ旅館』組に占拠されているじゃないか(^_^;)
 
 1便目が到着した。キャンセル待ち番号、1番〜3番までの人が、1便に乗ることが出来た。その中には“ちとせ組”の人も居た。僕らは少し恨めしそうな顔で、1便に乗る人々を見送った。
 「う〜ん、次に乗れるかなぁ…」と、ご主人がつぶやいた。それを聞いた奥さんが、僕のほうをちらっと見て、ご主人を少したしなめるような表情をした。さしづめ「私たちより、こちらのほうが切羽詰った状況なんだから!」という感じだったんだろう。べつに、そんな気は遣わなくてもいいんだけどね。
 と、そこに、昨夜食事の後で少し話した、今日の最終便で帰る予定のウチナンチューの青年と、その同行者が現れた。いよいよ『ちとせ組』密度が高くなる空港内。
 「あ、みなさん、キャンセル待ちですか〜」青年が話し掛けてきた。ウチナンチュー二人組も一緒になって、ますます調子付く僕。くだらない話などをベラベラとしゃべりまくり、笑かそうとしてみたり。…しかし、そんなウケ狙いの話のほとんどが、結局は「いかに俺が無謀かつバカな行動をとって来たか」という部分で成り立っているというのが、少々虚しくもあったが。
 「じゃあ、お父さんが入院してることになってるの?」 「そう、なぜかそういうことになっちゃってて…」 「ガハハハ!それじゃあ『釣りバカ日誌』のハマちゃんだよ〜」 「(『釣りバカ日誌』って観たことないけど…)ああ、そんな感じかも…」 「でも、顔とかずいぶん日に焼けてるよ。それじゃあ、遊んでたってバレちゃうんじゃない?」
 …!しまった〜〜!!それに気がつかなかった!!どうしよう…そりゃあそうだ、父親の看病をしていて、こんなに日焼けするわけが無い。マズいよなぁ、これは…
 「う〜ん、仕方ないから、何か顔に塗って出勤することにしよう!」と、僕は決めた。すると、それを聞いて周囲の人はドッと笑った。どうやら僕が冗談を言ったとでも思ったらしい。僕は本気だったんだけど…
 
 とか何とかしてるうちに、2便目が空港に到着した。キャンセルが5席ほど出た。ご夫婦は無事1便早い飛行機で多良間を脱出できそうだ。
 二人はカウンターに出向き、手続きをはじめた。と、二人が僕のことを指差して、なにやら係員に交渉している様子だ。…何を話してるんだろう?僕が二人をきょとんと見ていると、二人が僕を手招きする。…なんだろう?ノコノコとカウンターに近づくと、
 「あのね、私たちはこの飛行機で宮古に行けるから、次に来る3便の私達のどちらかの席を、あなたに譲れないかどうか、今交渉してるの」
 「え?!そんなことが出来るんですか?!」
 「う〜ん、まだちょっと分からないんだけど、たぶん大丈夫だと思う」
 ホ、ホントに?!僕はドキドキしながら、カウンターの中でモニターを見ながら思案顔をしている係員を見つめた。係員は、モニターから顔を上げ、
 「え〜っと、席をお譲りになる方は…」と、ご夫婦に確認してきた。
 「こちらの方です」と、ご夫婦が僕を指し示す。僕もついでに自分で自分を指差してみる。係員、ちょっと苦笑い。
 「では、そちらのチケットをお預かりします。…え〜っと、ささきさんですねぇ。じゃあ、次の便が到着したら、またお呼び出ししますので、それまでお待ちください」
 …これって、OKってこと?僕は3便に乗れるってこと?ヤッタ〜〜〜ッ!今日中に帰れる〜〜〜!!
 僕は、今までの人生で一二を争うぐらい、このご夫婦に感謝した。何度も「ありがとうございます!」と言った。いくら言っても言い切れないぐらい、ホントにホントに感謝した。ウチナンチューの二人組も「よかったねぇ」と言ってくれた。いやぁ、ホントによかったよ〜!
 …でも、人生ってどこでどんなふうに転がるか、まったく分からないものだと思う。もしも、マスターの車に一緒に乗っていなかったら、そして、ここで一緒にキャンセル待ちをしていなかったら、僕がこのご夫婦とこうして話し込むことも無かっただろうし、そうなれば、こんな信じられないぐらいうれしい展開にはならなかったはずだ。
 「これでクビにならなくて済みそうですねぇ」と、ご夫婦は笑って言った。クビになろうがなるまいが、今はそんなことどうでもよかった。もしもこれでクビになったとしても、僕には何の悔いも無い。
 二人は、僕らに手を振って、飛行機に乗り込んで行った。ありがとう!Kさんご夫婦!!

 さて、僕はこうして無事、3便に乗ることが出来た。ウチナンチュー二人組も、同じく3便に繰り上げて乗ることが出来た。どうやら『ちとせ旅館』に宿泊していた人々は、全員無事に多良間からの脱出に成功!めでたしめでたし。
 飛行機が離陸する瞬間、「やったぁ〜!」とガッツポーズを心の中で取りつつも、僕は全身から力が抜けるのを感じた。台風に翻弄されたこの4日間のことが、僕の足りない脳味噌の中を走馬灯のように駆け巡っていった。
 上昇する機内から多良間島を見下ろし、僕はようやく少しばかり感傷的な気分になった。台風のことばかりに気を捕られ、どこか浮き足立った旅になってしまったが、僕はたぶん多良間で過ごした4日間のことを一生忘れないと思う。改めて、“島”の持つ様々なものに気づかされた毎日だった。
 僕は、『ふるさと民俗学習館』のおじさんが、別れ際にぽつりと言ったひとことを、しみじみと思い出していた。
 「多良間は、どこに行くにも遠い島ですよ。距離の問題じゃなくてね。東京に行くのだって、宮古に行くのだって、風が吹いてしまえばそれほど変わりは無いんです」
 …つくづく、僕は随分と厄介なもの(=離島)に心を奪われてしまったものだなぁ、と思う。遠くて、なかなか手が届かなくて、計り知れなくて、それでいてやさしかったりもする。遠いと思いながらも、いや、遠いからこそ、憧れたり核心に触れてみたいと願ったりする。実にタチが悪い。…これって、なにかに似てるよね。
 

多良間空港近くの歩道。
草ボーボー。
いかに普段、誰も歩いていないかが分かるよねぇ。

  

島の人はもっぱら車で空港にやって来る。
駐車場もかなり広め。
離島名物(?)、放置車輌もあったりして…

  

イェ〜イ!飛行機に乗れたよぉ〜!!
うれしさのあまり、
離陸の瞬間には思わず心で万歳三唱!

  

さよなら、多良間島。
今度来るときはぜひ“八月踊り”のときに。
で、台風が来てないときに。

  

 宮古島に着陸し、宮古から羽田直行の飛行機に予約を入れ直してもらう。何とか東京に今日のうちに帰ることが出来そうだ。
 会社に「明日は出勤できそうだ」と連絡し、羽田行の飛行機の出発時間まで宮古島で過ごすことにした。空港でタクシーを拾って、とりあえず平良市街地まで。
 多良間の空港に居る間にはあまり気がつかなかったのだが、この日の宮古島地方は猛烈な暑さだった。タクシーを降りて、市街地を彷徨っていると、暑さで頭がクラクラしてくる。僕は店の軒下などの日陰を選びながら、街をウロウロとほっつき歩いていたが、それでも耐え切れなくなって、通りにあるコンビニやみやげ物屋に逃げ込む。クーラーで涼んでは、また外に出て、辛くなるとまた建物の中へ…なんだかサウナ→水風呂→サウナ→水風呂という感じ。新陳代謝が善くなりそうな、かえって体に悪そうな…
 最初は、まだ幾らか時間に余裕があったので、レンタカーでも借りて“砂山ビーチ”とか“東平安名崎”にでも行ってみようかとも思っていたのだが、強烈な陽射しにすっかり億劫になってしまい、平良市街地でダラダラと時間を潰すことにした。
 『はまもと』というみやげ物屋でブルーシールのアイスを食らい、『平良おみやげ品店』で何となくアロハシャツなんぞを衝動買いし、『古謝本店』で遅い昼食と生ビールを摂取し…なかなか正統派な街巡りの図、って感じ。思えば、宮古島に限らず、僕はみやげ物屋をしっかりと覗くことがあまり無い。関心無いんだよね、さほど。沖縄のみやげ物って、圧倒的に女の子向け、って気がしない?もっとも、その手のみやげ物の購買層って女性のほうが多いのかもしれないけど。って言うか、沖縄ってどちらかと言うと女性の観光客のほうが多いような気がするのは、僕だけかなぁ?離島なんかに行っても、男の旅行者にはあまり遭遇しないような気がするし。その点、女性は一人旅の人なんかも結構見掛けるし…あ、僕がそういう人に目が向くだけかもしれない(^_^;)
 
 そんなふうにブラついていると、そろそろ時間が無くなってきた。僕はタクシーを捕まえて(これが案外捕まらなくて、ちょっと苦労したりして)、空港に向かう。
 「今が一番タクシーも捕まえにくいし、道路も渋滞する時間帯なんだよ〜。ちょうど市役所も終わる頃だしね。役所の職員なんかが一斉に出て来るでしょ。会社なんかも終わるところが多いし」と、タクシーの運転手が言う。なるほどね。
 このタクシーの運転手が、も〜しゃべるしゃべる。空港に辿り着くまでノンストップで一気にしゃべりまくる。宮古島の交通事情の話から、沖縄の陽射しの強さについて、果てはシモネタまで、とにかくしゃべり倒す。まぁ、こっちとしては、その話を聞いていればいいので気はラクなんだけどさ。でも、“新婚旅行に来ていたカップルが悲惨な交通事故に遭遇してしまった悲劇”の話のあとで、“ウチナーグチのスラングの話”なんかを笑いながらされても、ちょっとどんな顔をして応答すればいいのやら…
 タクシーの車内に運転手の言霊が満杯になる頃に、空港に到着。…いや〜、聞き疲れちゃった。
 
 飛行機に乗り込む。と、出発する直前に、いきなり機内に橋本元首相が飛び込むように入ってきた。前方の席に座っていた乗客の一部は、彼に気づいて「え〜っ?!」という表情をしたり、ちょっと背伸びをして橋本氏のほうを覗き込んだりする。もちろん僕もそれに気づいて、「この人、宮古島に何しに来たんだろう?」と思いながら、ついついその一挙手一動足を注目してみたりして。
 参議院選挙も近いし、前回の自民党総裁選で唯一小泉氏に勝った沖縄県を、遊説でもしていたんだろうか?まさか観光で来た、ってことは無いだろうし…
 ちなみに、機内サービスで橋本氏はコーヒーをミルク・砂糖無しで飲み、新聞や雑誌も読まず、一睡もしていないようだった。彼の周囲を取り囲んでいる(SPなのか秘書なのか)人たちは、飲み物のお代わりもしっかりもらったり、週刊誌を読んだりして、案外リラックスムード。
 …それにしても、今回の旅行は期せずして政治色の強い旅行だったような気がする。その締め括りがコレかぁ…
 しかし、僕としては橋本氏を見て一番印象的だったのは、やっぱりなんと言っても、あのポマード頭。だってさ、機内の柔らかい照明でもテッカテカに光ってるんだもん。
 ちなみに、こういう人って「サインくださ〜い♪」とか言うと、気軽にサインしてくれたりするんだろうか?
 『自民党をどうぞ宜しく! 貴方の橋本龍太郎』とかさ。…欲しく無いか、そんなサイン。
  

宮古のメイン・ストリート、“西里通り”。
地元の高校生がたくさん歩いてました。
…でも、他にはあまり人気が無い…(^_^;)

  

天気はいいのにねぇ。
風はまだ強く吹いてます。
だがしかし、暑い!暑すぎる!

  

暑いので、図書館で涼もうかと思ったら…
「冷房故障中」だって。ぬ゛〜!
館内には、勉強してる学生さんたちがたくさん。

  

図書館がダメなら、市役所はどうだ?!
と言うわけで、市役所に入ってみました。
涼しくて快適!(用事もないってのに…)

  

平良港に程近い町並み。
味わいのある建物が並んでいます。
でもここ、夜は街灯がなくて怖いぐらい真っ暗(^_^;)

  

こういう風景も僕は大好きです。
宮古の市街地って、こういうところが目白押し。
無駄に写真を撮りまくってしまうのである。

  

沖縄でもかなり異色な料理を味わえる店。
『ラッキー食堂』です。
ヤギ、海亀、ウツボなど、多彩な食材が…

   

これは『古謝本店』の“煮付け定食”。
最近、僕は煮付けにかなりハマってる。
おいしいよねぇ、煮付け。

  

う〜む、ポスターからスゴイ熱気が…
“ミス宮古発表会”って、ちょっと興味あるなぁ。
ところで、“歩行者天国”って、イベント?

  

宮古空港の搭乗待合所の様子。
宮古→羽田の直行便に乗るのって、はじめてだ。
寝てる間に、羽田までひとっ飛び。うれしい。

  

ようやく引き渡しに応じたみたいです。
…今回の旅行って、わりと社会派っぽくない?
カッコイイよな、ジャーナリスト風で♪(←勘違い)

  

奥のほうにポコッと見えてるポマードでテカってる頭。
そう、あれが橋本さん。
テレビで見るのとまったく同じでした。

  
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