久米島
〜4月22日・その6〜


 具志川村の中心部・仲泊の辺りに戻って来た。
 さて、これからこの界隈をのんびり散歩するぞ〜!…あ、その前に一旦ホテルに寄って、荷物とレンタカーを置いていくことにしよう。
 『久米島観光ホテル』…そのあまりにも怪しげな雰囲気に魅せられて、衝動的にここで一夜を過ごすことにしてしまったのだが、果たしてこれでホントに良かったんだろうか?
 フロントで鍵を受け取って、指定された部屋へ向かう。僕の部屋は2階の角部屋だった。階段の踊場では謎の死を遂げたゴキちゃんの骸が、隅っこのほうに一体。…ちょっと心配になってきた。
 いよいよ、僕が泊まることになっている部屋の前に。僕は軽く深呼吸をして、鍵をノブに差し込み、ドアを開ける…
 とたんに、少しカビ臭いような臭いがムンと鼻を突く。一瞬、頭が痛くなる。が、すぐに慣れてきた。
 部屋の中は、わりとまともだった。どこか垢抜けないインテリアも、引出しがガタガタ言ってスムーズに開かない机も、氷水が入ったポットも、ベッドの上のヘンな形のライトも、オレンジ+茶色+モスグリーンの大きな花柄のベッドカバーも、どれもこれもがある意味雰囲気満点!統一感がまるで無い素晴らしい内装である。
 ちなみに、この日僕が泊まった部屋はツインの部屋。って言うか、たぶんこのホテルにはシングル・ルームが無いんじゃないかな?だから、結構広々のびのびと使えた。使わないほうのベッドに荷物や脱いだ服をポ〜ンと放り投げ、僕は窓の外を見ようと少し汚れた窓に近づく。
 クーラーを点けるほど暑くはないし、かと言ってこのままではやはり蒸す。僕は窓を開けようと試みたが、建て付けが悪くて窓が開かない。…開かずの窓。
 窓際に置かれた70年代サイケ調柄のソファーに座って、僕はしばらく窓の外の様子を眺めた。
 窓の下には、中庭とプールが見えた。プールには水が張っていなくて泥まみれ、おまけにあちこちぶち壊れている様子だった。…シーズン・オフだから仕方ないのかもしれないけど…もうすぐゴールデン・ウィークですぜ。ちょっとは手入れしたほうが良くないか?
 この中庭から、そのまま“兼城港”へと抜けて行けるようだ。実際、港のほうから釣り道具を抱えた宿泊客が、中庭を通ってホテルに戻って来ていた。…これだったら、宿泊料金を踏み倒してそのままこっそり中庭からバッくれることも可能では…?などと悪いことを考えたりした。ま、考えるだけだったら犯罪にならないし。僕はちゃんと払いますよ、もちろん。

 喉が渇いたので、部屋から通路に出てジュースの自動販売機に向かう。と、自販機の先に別棟が続いているようなのだが、行く先には何やら什器や工具がゴロゴロと転がっていて、実質“この先は立ち入り禁止”状態だった。改装工事中なのか?しかし、客の目につくところをこんな殺伐とした状態にしておくこともないと思うのだが…
 
 とにかく、これはこれで僕の狙いどおりの脱力ホテルであるのは間違いなく、個人的には結構満足した。どうせ泊まるんだったら、無難なところよりも「何だかなぁ…」なところのほうが面白いし、印象に残る。
 僕は少し部屋でぼんやりと一休みした後、ホテルから出て周辺の町を探検しに出掛けた。
 

今宵の宿、『久米島観光ホテル』。
全体的にくすんだ感じ。
最初に見たとき「廃業してるのか?」と思った…


  


わりとマトモなほうの廊下(^_^;)
でも、やっぱり殺風景で寂しいかなぁ。
夜になると一層寂しくて…


  

部屋の窓からは“兼城港”が見えます。
いわゆる“オーシャン・ビュー”ってヤツですか。
…でも、建て付けが悪くて窓は開きません…


  

ホテルのそばにあった、島唯一(?)のコンビニ。
どうも酒屋さんらしくて酒類が充実してました。
店員さんの対応は、ちょっと減点(^_^;)


  
 
 まずは“兼城”から“仲泊”へと続く目抜き通り(?)をそぞろ歩いてみる。
 この通りには、結構いろいろな業種の商店が並んでいた。店先や路上で立ち話をする人、バイクに跨ったままで話し込む若いニイチャン、買い物をする人しない人、いろんな人がまったりとした感じでそこに居る。
 こういう何気ない光景が、やたらと気持ちよかったりする。やっぱり暮らしの匂いの中に居ると、とてもホッとする。
 で、この大き目な通りを中心にして、その脇道には小さな飲み屋が数多くある。この人口1万人ほどの島に、こんなに飲み屋があって大丈夫なのか?と心配になるぐらいに。
 住宅、商店、飲み屋が渾然となった中心街。やたらめったら路地に入り、何の目的も無くほっつき歩く。それだけなのに、何だか楽しい。
 
 適当にグルグルと周っていたら、いつの間にかまたホテルの近くに戻って来ていた。
 そこで目に入った“ふれあい公園”という、偉くベタな名前の公園に入ってみた。
 巨大な大綱引きの綱をモチーフにしたオブジェをくぐって中に入ると、そこには結構広々とした広場があった。子供がたくさん遊びに来ていて、なかなか賑やかだった。
 公園の海側には防波堤があって、そこによじ登ると“ガラサー山”という小島が目の前に見える。さっき観に行った“ミーフガー”が女性のシンボルになぞらえているのと同様、この“ガラサー山”には男性のシンボル状の岩がポコッと立っている。いやぁ、出来すぎだよね、これは。笑っちゃうぐらいに。
 防波堤から離れて、公園のベンチに腰掛けて居ると、僕の目の前をゲートボールのボールがゴロゴロと転がって行った。その後を追っかけて来たのは、「ゲートボールに興じるにはまだちょっと若いんじゃないの?」と思えるおじさんだった。ボールはそのまま快調に転がり続けていたのだが、そばで遊んでいた子供がそのボールを「ハシッ!」と手で掴んで止めた。
 「あ〜、止めちゃだめだよ〜!」 追いかけていたおじさんが苦笑いして叫ぶ。きょとんとしている子供。
 …それにしても、このおじさんだけでなく、ゲートボールをプレイしている面々はいずれもまだ「おじさん」と呼んで差し付けない年代の男性ばかりだった。なんだって、日曜日の夕方に、おじさんばかりが集ってゲートボールをしているんだろう?今、久米島のおじさんたちの間でゲートボールがトレンドになってるのか?それとも、これには何か事情があるんだろうか?
 
 そんなふうに、僕がじいさんのようにたそがれてベンチに座っているすぐ脇で、子供たちが『だるまさんがころんだ』をして遊んでいた。
 これを見て、僕はちょっとした違和感を感じた。『だるまさんがころんだ』って、たぶん元々は本土の遊びだろうと思う。これが、ここ久米島の子供たちの間でも“子供の遊び”として定着しているんだとしたら、一体どういうルートで入ってきたんだろう?
 『だるまさんがころんだ』があるんだったら、『はないちもんめ』とか『かごめかごめ』とか『ことしのぼたん』とか、そういうのもあるのかなぁ?
 それとはべつに、沖縄のわらべうたで遊ぶ、という習慣が今でもちゃんと残っているんだろうか?…あいにく僕は沖縄のわらべうたってぜんぜん知らないし、かと言って沖縄の子供が「♪ずいずいすっころばしごまみそずい!」などと本土産の歌を歌って遊んでいる場面に出くわしたこともない。
 そもそも、今ではそういう遊びをしている子供自体が少なくなってきていると思うけど、ちょっとそんなことに興味を惹かれたりもする。
 期せずして、夕方の公園で小難しいことを考えるハメになってしまった。でも、こういうことって案外分からないよね?
 …そう言えばね、話はぜんぜん違っちゃうんだけど、久米島にCD屋さんとかってあるんだろうか?本屋さんは見掛けたんだけどね。僕の見て歩いた限りでは、ちょっとCD屋の有無を確認できなかったんだけども。もしもCD屋がなかったとしたら、島の若者は、新譜買ったりするときにどうしてるんだろう?那覇に出て買うのかなぁ?もし仮にCD屋があったとしても、たぶんメジャーなものしか置いてないよね。宇多田ヒカルや浜崎あゆみは買えたとしても、ちょっとマニアックなアーティストや洋楽なんかは難しそうな気がするよねぇ。
 僕はときどき「島でノンビリ暮らすなんて、最高に幸せだよなぁ」なんて無責任に思っちゃうことがあるんだけど、実際に暮らすとなると、やっぱりいろいろと不便だったり歯痒い思いをしたりすることも多いんだろうねぇ。ハナっから「無くて当然」として暮らしていれば、それはそれで済んじゃうのかもしれないが、今はもうそれでは済まなくなってると思うし…
 こんなこと、今さら言うのもヘンだけど。このときほど、それを深く考えたことは無かった。こういう“歯痒さ”が、沖縄の離島をどんどん開発という方向に導いているような気がする。その一方で、開発が進むことを“歯痒く”思う僕のような人間も居る。“歯痒さ”の相反する行方が上手く折り合うところって、一体どこなんだろう。
 
 “ふれあい公園”の片隅で、こんなことをぼんやりと煩悶しているヤツが居ることなどまったくお構い無しで、飛び回っている子供達。
 まぁ、久米島の行く末がどうなろうとも、君らが「それでいい」と思えるところに限りなく近い地点に着地して欲しいと思うよ、おにいさんは。
 …誰だ?!「おにいさん?おじさんの間違いじゃないの?」などと思ってるのは?!
 

“ふれあい公園”というところ。
大綱引きをモチーフにした入り口。
…かなりインパクトあり!


  

沖縄の大綱引きは、豊穣、豊漁を占う意味合いも持つ。
で、ちょっと性的なニュアンスもあるってわけ。
…まぁ、一目瞭然ですけどね。


  

広い芝生の広場や遊戯具などがあります。
ゲートボールをしているおじさんのグループ。
…夕方に、ゲートボール。しかもおじさん…


 

子供たちにとっては恰好の遊び場。
左奥にちょっと見えるのが野外ステージ。
ちゃんと楽屋も完備。なかなか本格的。


  

これが“ガラサー山”だ!ここは御嶽らしいです。
“ミーフガー”と対になってるんだって。
右の端っこに…それらしき物体が…


  

“兼城港”がすぐ近くにあります。
那覇から来たフェリーが居ます。
飛行機だと25分だけど、船だと100分掛かる。


  


デイゴが咲いてました。たぶん初めて見た。
ちょっと感激しました。県花だしねぇ。
♪でいご〜の花が咲きぃ〜…


  

…のぼらないけど。



  

ここだけ見ると、ちょっと外国みたいでしょ?
南欧とか、スペインとか、そういう感じ。
実体は、普通のアパートですけどね。


  


沖縄の家電屋さんと言えば、やっぱコレ。
何だかとても賑わってました。
“日本最 の大型家電専門店”…“大”が抜けてるし。


  


…一瞬、読み方に悩んじゃったけど。
たぶん“タレント”でいいんだと思う。
飲み屋って、こういう当て字が多過ぎ!


  

こっちはさらに難解な当て字。
答えは“ヒメジョン”です。←花の名前ですね。
“ナイト・イン”がそこはかとなく淫靡な雰囲気で…


    

 探索を終えて、一旦ホテルに戻る。で、風呂に入ったりテレビを観たり(天気予報チェック!&沖縄のCM鑑賞)して、改めて町に出る。何か食べよう。
 …でも、先に書いたとおり、今日は日曜日。定休のお店が思いのほか多かった。レンタカー屋でもらったガイドマップに紹介されている仲泊付近のお店(例えば『レストラン竜』とか『きはち』とか)も日曜日は定休日だ。こうなったら、行き当たり場当たりで良さそうなお店に飛び込むしかないか。

 日がとっぷりと暮れて、町はすっかり夜モード。僕はまたまた兼城〜大田〜仲泊をフラフラと歩いてみる。一歩裏の道に入ると、街灯もまばらで真っ暗闇だったりして、少し不安になったりして。
 思えば、僕は石垣島・宮古島よりも小さな島で夜を過ごすのはこれがはじめてなのだった。八重山や宮古の離島にはいつも日帰りで行ってるだけだし。
 夜になって、空は昼間よりもかなり晴れてきていた。真っ暗な住宅街から空を見上げると、星がチラチラと細かく揺れていた。僕は口をポカンと開けたマヌケ面で、しばらく空を見上げ続ける。…首が痛い。それに、こんなところを通行人に見られたら恥ずかしい。でも、目がなかなか離せない。

 …あ、それより食い物食い物。何かねぇ、今は和食とか、そういうあっさりしたもんが食いたい気分なわけだよ。中華料理屋や焼肉屋は大繁盛していて、そこの一角は妙に賑わってるんだけど、そういうの食べる気分じゃないわけよ。そもそもひとりで中華や焼肉食べるって、何かちょっと侘しい気もするし…
 などと町を徘徊していると、ちょうどおあつらえ向きな店が見えた。『割烹 居酒屋 磯』。よし!ここに決めた!ここだったらホテルからも近いし、しこたま飲んでも帰るのがラクだしな。

 店内に入ると、厨房の中には若い青年板前さん(主に生もの担当)、若い女性(主に給仕担当)、アンマー(主に火を使った調理担当)の3人が居た。みんなとても愛想が良くて、なかなかいい感じ。
 結構広い座敷があって、3組の団体さんが来店していた。なので店の人は大忙し。僕はカウンターに座って、お品書きをチェックする。
 …寿司かぁ。いいねぇ、寿司。沖縄ってあんまり刺身とか美味しくないんだけど(←海辺育ちなのでこういうことには結構うるさい)、やっぱり寿司が食いたいなぁ。あ、それとホッケ。それからえ〜っと…ゲゲ?!“蛙の唐揚げ”?!
 僕はもう、頭の中が“蛙の唐揚げ”で一杯になってしまった。実は昔、某自然食品中心の居酒屋で蛙は経験済みなのだが、こういうゲテモノ系の食べ物についつい心が揺れ動いてしまう。…食べたいな、カエル。
 「お決まりですか?」 訊かれて我に蛙…じゃなくて我に帰る。
 「あ、えっと、寿司の特上(と言ってもそれほど高くない)と…ホッケの塩焼きと…あと、久米仙を2合…とりあえず、それで」
 結局、蛙は注文出来なかった。「蛙をください」と言って、お店の人に「え?そんなもん頼むの?」と思われやしないか、とちょっと弱気になった。…メニューにあるんだからもっと堂々と注文すればいいのだけど…
 
 寿司は、これがなかなか美味かった。あまり期待していなかったのだが、上等の部類に入ることは間違いない。沖縄に来てホッケを頼むのもヘンな感じだが、ホッケも美味かった。久米仙ももちろん美味かった。
 調子に乗って、トーフチャンプルーと魚の塩煮も頼んだ。ついでに久米仙ももう2合追加した。一瞬「俺の胃袋は底なしか?!」と思えるほど快調なペースで食物を吸収していたのだが、だんだん苦しくなってきた。
 腹がガポガポ言い出したので、久米仙を水で割るのをやめてストレートでチビチビと飲んでいると、恰幅のいい初老の男性が店に入って来た。どこからどう見ても沖縄の人だ。「地元の人だろう」と僕は思った。
 おじさんは、給仕担当の女性に「天ぷら作れます?」と訊ねた。「はい、作れますよ〜」と女性が答える。
 「あのね、持ち帰りたいんだけど、大丈夫?」
 「え〜っと、…ちょっとお時間掛かっちゃうんですけど、それでも宜しいですか?」
 「時間?どれくらい掛かるの?」
 「そうですねぇ…10分か15分ぐらい…」
 どうも遣り取りを聞いていると、このおじさんは地元の人では無いようだった。だいたい、こんな夜更けに礼服のようなスーツを着ているのもちょっとヘンと言えばヘンだし。
 カウンターで料理が出来るのを待っているおじさんと、目が合った。ニコッと微笑むおじさんに、つられて僕も笑い返す。すると、おじさんは僕の食べていた魚の塩煮を見て、「それ、美味しいですか?」と訊いてきた。
 「はい、美味しいですよ」と答える。ホントに美味しかったからいいけど、もしも美味しくなかったとしても、まさかこんな店の人の前で「美味しくないです」とは言えないだろう。
 するとおじさんは「あれと同じものも、持ち帰りで出来ますか?」と店の人に訊ねた。店の人はちょっと戸惑っていたが、「はい、出来ますけど…もうちょっとお待ちいただく時間が長くなっちゃいますけど…」と返事をした。
 「あ、そう…じゃあやめます」 事も無げにおじさんは言った。
 「残念でした。それ、美味しそうですけどねぇ」と、おじさんは僕と魚の塩煮を交互に見てつぶやいた。
 「はぁ…そうですねぇ…」 こんなとき、俺はなんと言ったらいいんだ?

 その後おじさんは、天ぷらとご飯を2人前持って、店を出て行った。
 僕はと言えば、とにかく腹が泡盛(を割った水)と料理ではちきれそうな状態だった。く、くるし〜。
 ここでじっとしていると、このまま鉛のようになってしまいそうだったので、僕は意を決して店を出て、腹ごなしにちょっと兼城港に行ってみることにした。
 「ぐえぇぇ、も〜腹パンパン!」などと言いながら兼城港に向かって歩いて行くと、途中で中年男性3人組が、道のど真ん中で何やらゲラゲラと笑いながらグルグル回っているところに出くわした。どう見ても酔っ払いだった。
 「何をグルグルと自転してんの?この人たちは」と思いつつ、目を凝らしてよ〜く見てみると…
 3人の中のひとりの股間の辺りから、何やらキラキラと光る光跡がスプリンクラーのように周囲に撒き散らされていた。
 …おっさん、立ちションしながらグルグル回転してやがる!
 僕は自分の腹部膨満感も忘れ、きびすを返してさっさとその場を立ち去った。あ〜、悪いモノを見た!見なかったことにしよう、そうしよう。俺は何も見なかった。
 
 気分転換にと思い、昼間に見つけたコンビニに立ち寄った。
 僕が雑誌のコーナーを物色していると、ひとりの中年男性が店内に猛烈な勢いで突進してきた。ドアが開いた瞬間、こっちのほうまで酒の匂いが漂ってきた。…このおじさんも、どうやら相当な量の酒を飲んでいるようだった。
 店に入るなり、おじさんはバカでかい声で「酒はどこ?!酒は!」とレジの中に居るアンマーに訊いた。
 「…そこですよ」 愛想の無いアンマーが酒の場所を教えると、おじさんはすっかり座ってしまった目で舐めるように棚を見つめていたが、「一番高い酒って、どれ?」とこれまたでかい声で言った。
 アンマーが渋々レジからおじさんのそばに移動し、“一番高い酒”と思しき一升瓶を指した。おじさんはそれを抱え込んで、レジで精算して(幾らの酒だったのかは、アンマーの声が小さくて聞き取れず)、そのまま猛烈な勢いで店の外に出て行った。で、そのまま車に乗り込んで、自ら運転して(!)どこかへと消えていってしまった。
 …何か、突如としてアナーキーな世界に迷い込んでしまったような気分になってきた。
 僕は雑誌(『おきなわJOHO』)と“守礼紙銭”というものを買った。“守礼紙銭”とかいうの、用途はよく分からなかったけど、たぶんお参りとか拝所とかで使うものだろうと思われたので、ついつい手に取ってしまったのだった。
 神聖なものに触れていることで、少しでもこのアナーキーな世界と隔絶されるのだとしたら、これはぜひ手に入れておくべきだろう…そう思ったようだ。“ようだ”と言ったのは、実は自分でも何でこんなものを買ってしまったのか、今ひとつ理解できないから。
 つまり、僕も少々酔っ払ってた、ってこと、なんだろうか?
 …この“守礼紙銭”、正直言って今、使い道が無くて困ってます。バチが当たると怖いので、迂闊に処分も出来ないし…
 

煌煌と輝くイルミネイション。
駐車場もかなり埋まってます。
繁盛してるんだろうか…?


  

僕が入った割烹居酒屋『磯』。
やっぱ魚とか食べたいじゃん。
結構美味かったです♪


  

“油淋鶏”もすごいけど、なんと言っても…
“蛙(かえる)のから揚げ”!380円!
どこで捕獲した蛙なのか?地元産なのか?


  

上に出てきたコンビニで衝動買い。
…これってどうやって使用するんだろう?
ほんのりと線香の香りが…


  
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