あけましておめでとうございます Part2

 仕切り直して、やって来たのは巣鴨。そう、“おばあちゃんの原宿”として名高い“巣鴨地蔵通商店街”だ。『山口観音』のある所沢とはぜんぜん違う方向なのだが、それぐらい離れていたほうが方位も気分も変わってイイんじゃないの?という、結構安直な発想。
 この商店街の中に、あの有名な“とげぬき地蔵”こと『高岩寺』がある。実はここもまた仕事でよく通り掛かる場所なのだが、商店街に足を踏み入れたことは一度も無かった。

 “巣鴨地蔵通商店街”は、確かに噂どおりたくさんのお年寄りが闊歩する商店街だった。お年寄りが多い→お年寄り相手の商売をする店が増える→さらにお年寄りが集まる…といった、お年寄りスパイラルな空間。時折現れるコンビニやレンタルビデオ屋に違和感を覚えてしまうほどだ。いや、もちろん若い人も居る。だけど、その比率は圧倒的に低い。
 お年寄り主役の商店街と聞くと、さぞかしノスタルジックな趣きに溢れているんだろう、と思いがちだが、ここにはそんな雰囲気はあまり無い。むしろ、そんじょそこらの商店街では味わえないぐらいに活気がある。中高年のおばちゃんorあばあちゃんグループが、縦横無尽に店から店へとそぞろ歩く姿には、老境だの衰えだのといううら寂しい印象は皆無。
 「あら、このナイロンの上着イイわよ。雨の日に出掛けるにはちょうど良いんじゃない?」
 「このウォーキングシューズっての、この前テレビでやってたわよ」
 「美味しいうどん屋があるって聞いたんだけど、どこにあるのかしら?」
 う〜む、実に元気だ。オバァが元気なのは、何も沖縄に限ったことでは無いのかも知れない。
 
 あ、そうだった、初詣だよ初詣。僕はさっそく『高岩寺』の山門をくぐる。『高岩寺』は、商店街の中にこじんまりと在った。僕の想像とは違い、境内も狭いし佇まいも比較的地味なお寺だった。本堂に向かって境内を進むと、すぐ左側に行列が出来ていた。この行列の目指すもの、それは“洗い観音”だ。きっとご存知の方も多かろうと思うが、この洗い観音の効能は…自分の体の悪い部分(怪我とか病気とか)と同じ部位に水を掛けて洗う(擦る)と、あら不思議、すっかり調子が善くなっちゃう!というスゴイもの。らしい。冷静に捉えれば「そんなワケないじゃん」ってな感じではあるけれど、何しろこれだけの人が殺到する観音様である。きっと確かなご利益があるに違いない。そうでなきゃ、こんなにたくさんの参拝者が来るはずないんだからね。僕も『山口観音』で痛めた腰をこの観音様で…と思ったのだが、さすがにひとりでこの行列の中に入るのに抵抗があって、結局断念。

 気を取り直し、本堂でお参りをする。“とげぬき地蔵”という通称は、この本堂に安置された延命地蔵菩薩のことを指す。「病のとげ、心のとげを抜く」という、大変ありがたいご利益を施してくださるわけだ。このご本尊は秘仏とされ、一般には公開されていない。“秘仏”と聞くと、何となく霊験あらたかな感じがする。
 で、この地蔵菩薩のお姿を、小さな和紙に刷ったものが“御影(おみかげ)”。この御影を痛いところに貼ったり、喉に骨などが刺さったりしたときにそのまま飲み込むと、あら不思議、すっかり調子が善くなっちゃう!というこれまたスゴイ効力を発揮するもの。らしい。もちろん僕もこれを買って、一枚は腰に、一枚は飲んでみた。外服薬&内服薬のダブル効果を狙ったのだ。
 さて、そうこうしていると、ちょうど車椅子で参拝に来たお年寄りと出くわした。恐らくボランティアであろう若者が、本堂に車椅子を押していく。…あ、なるほど〜。この本堂の石段にはちゃんと板で出来たスロープが渡らせてある。まさにバリアフリー。お年寄りに人気のスポットは、お年寄りにやさしい造りになっていたのだった。新年早々、ちょっと感心させられましたなぁ。
 
 帰り道、巣鴨の駅前で、お年寄りを狙ったキャッチセールスを展開する一群を見掛けた。結構お年寄りってこういうのに簡単について行っちゃったりするんだよねぇ。…しかし、こんな場所でお年寄りを誑(たぶら)かそうなんて、なんて不届きな奴等だ!天罰が下るぞ!とげぬき地蔵様も、とげを抜いたり痛いところを治したりするだけじゃなく、こういう手口に引っ掛からないコツを伝授してくれればなぁ…などと思ったりした1月6日の夕刻。神様も仏様も、このご時世じゃいろいろと大変である。

 さて、“御影”で僕の腰は善くなったのか?というと…ちょっと微妙。確かに痛みはほとんど無くなったのだが、これって自然に治っただけ、って気もするし…いや、きっととげぬき地蔵のご利益だな、ということにしておこう。
 

“おばあちゃんの原宿”と称される商店街。
確かにお年寄り指数はムチャクチャ高い。
で、有数の“活気ある商店街”でもある。

  


当然、店舗もお年寄りを意識したものが多い。
今日はこれでも比較的静かなぐらい。
“4のつく日”は一面老人の海と化す。

  

商店街の入り口に建つ『真性寺』。
弘法大師に縁のあるお寺です。
…さっきの『山口観音』と弘法大師つながり…

   

約2,5mある巨大地蔵。
“江戸六地蔵”に含まれる由緒ある地蔵です。
あ、もちろんこれは“とげぬき地蔵”じゃないよ。

  

通称“巣鴨とげぬき地蔵”、正式名称『高岩寺』。
予想以上に小さくて質素なお寺さんだったりする。
かなり庶民的なテイスト。

  

煙を“善くしたい体の部位”にスリスリ。
今さら頭や顔を善くするのは無理なので、
とりあえず『山口観音』で痛めた腰を。

  

境内には露店が出ていて賑やか。
露店もお年寄り向けの渋〜い商品を販売中。
…しかし、かなり狭いな、この境内。
   

本殿もどちらかと言えば質素だよね。
ちなみにここは曹洞宗のお寺です。
座禅をする禅宗のお寺、ってことね。

  

本殿の中。参拝者でごった返してる。
ここに安置されてるのがご本尊の“とげぬき地蔵”。
勘違いしてる人が結構多いはず…→

  

境内の隅のほうに行列が出来てる。
皆さん、並んで何かの順番を待っている様子。
その横で果敢に商売をする露天のオヤジ。

  

そう、これが大人気の“洗い観音”です。
これを“とげぬき地蔵”と勘違いしてる人、居ない?
これはどう見ても地蔵じゃなかろうて。

  

洗い観音、揉みくちゃ状態です。
ちなみにこの観音様は2代目。
初代は擦られまくって磨り減っちゃって引退(^_^;)

  


高齢な方には高く指示される“島暦”の類ですね。
古来の占いなんかも詳しく記述されてるスゴイヤツ。
うちのばあちゃんも愛読者でした。

  

かと思えば、境内の脇にはこんな露店も…
確かにお年寄りが大好きな按摩ですけどね。
タイ式って辺りが心なしかとれんでぃ。

  

やっぱ、とげぬきといえばコレでしょ〜♪
患部に貼ったり、飲んだりすると効果があるとか。
5枚1組で\100です。

  

薄い和紙(っていうか半紙)に地蔵様がプリント。
実際に飲んでみると結構ゴワゴワしてたりして…
飲み物などと一緒にご服用ください。

  

おばあちゃん好み(?)な品揃え。
“ファッション”“おしゃれ”などの単語も懐かしい。
で、どれもリーズナブル。とげぬき価格。

  

とげぬき名物・塩大福。
通りにも何軒かお店があります。
僕も買いました。なかなか美味い。

  


レース使い、ラメ入りといった素敵なショールも充実。
フェイクファーのコートも揃っております。
ナイロン生地のジャージだってあるぜよ。

  

キーワードは“懐メロ”。
数軒あるカラオケ屋も、どこも売りは懐メロ。
皆さん昭和歌謡や軍歌を愛唱してるらしい。

  

巣鴨発信のブーム・“赤パンツ”。履くと血行が良くなるとか。
ここ『マルジ』は創業50余年、通り沿いに5店舗(!)もある人気店。
勝負パンツは赤でキマリだ!

  
 
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