日蓮&要塞
  
 横須賀の沖合い約2km。そこに浮かんでいる東京湾唯一の自然島・猿島。

 この島には、日蓮上人にまつわる伝説がある。

 鎌倉時代、日蓮が上総(今の千葉県中部)から鎌倉へ船出したところ、急に天候が悪化し、船は沈没寸前となった。  日蓮は船の上で、海の神様である龍に念仏を唱えました。すると大きな龍が出現し、しけた海は静けさを取り戻した。 日蓮は猿島に流れ着き、その時現れた白猿の導きによって横須賀の米ケ浜に無事上陸出来たと言われている。

 その他にも、日蓮が房州から船に乗って鎌倉に渡る途中シケにあい、そのとき猿島の遠浅の磯辺で船底に穴があき、沈没寸前の状態になったそうだ。日蓮は冷静に水面を見つめ念仏を唱えたところ、アワビが船底の穴をふさぎ船は沈まずに済んだ、という話もある。

 それから、日蓮は白猿に案内されて猿島から舟に乗り、横須賀にある米ケ浜の海岸に上陸しようとしたが、着岸できないため、船頭が上人を背負って上陸した。砂の上に上がってみるとサザエを踏んだ船頭の足が血まみれになっていた。日蓮がまたまた念仏を唱えたところ船頭の出血が止まり、近海のサザエの角が無くなった、なんて話も。

 …まぁ、伝説ですからね、かなりウソっぽい話ではあるんだけど、しかし、実際にこの辺りでは“角なしサザエ”が採れるし、そもそも“猿島”という名前がついたのもこの白い猿の伝説に由来しているわけだから、それはそれでなかなか趣きがあろうというものだ。

 しかし、この猿島は何と言っても“天然の要塞”として名を馳せたところ。
 明治時代から第二次世界大戦までの間、東京湾の防衛の要として機能していた島なのだ。
 (とは言っても、実際に使われたことはたぶんなかったと思うんだけどね)
 だから、この島には今でも要塞の面影が濃厚に残っている。「残っている」というより「そのままの状態」と言ったほうが正しいのかも…
 
 僕がこの島に最後にきたのは、確か中学生の頃に友達と海水浴に来たとき以来。
 海水浴はできるし、ちょっとした探検気分で遊べるし、子供にとっては結構楽しい島だったりする。
 ひさしぶりに上陸した猿島は、ところどころ変わっていた。
 あの頃は、トンネルの中は舗装されていなくて、おまけに照明がまったく点いていなかった。暗くて危ないので、カップルは自ずと手をつないで歩かなくことになる。で、ついた名前が“愛のトンネル”(^_^;)
 でも、今ではしっかりレンガのタイルで舗装されているし、ライトだってところどころに設置されている。なので“愛のトンネル”なんていうダサダサな愛称も消えてなくなっていた。

 とは言え、島の中は、どこもかしこも鬱蒼と茂る樹木で陽射しが届きにくく、道がぬかるんでいる上に、案外アップダウンもあるので、「海水浴ついでにちょっとハイキング♪」なんて軽い気持ちで、ビーチサンダルなんぞで歩こうものなら、間違いなく後悔することになる。
 実際、この日も団体のおじさんおばさんが、あまりの足場の悪さにヒーヒー言いながら歩いていた。
 「みなさ〜ん、あまりくっついて歩かないように〜。一人が倒れるとドミノ倒しになりますからね〜」
 「あ〜、怖い。なんでこんなとこ歩かなきゃいけないのよねぇ」 「ホントよねぇ!」
 …なにもここで愚痴らなくても…とも思うが、こう言いたくなる気持ちも分かる。

 一時期、横須賀と猿島を結ぶ定期船が、経営不振で運休したりして思うように島へ渡れなかったりしたけど、今では3月〜11月の間なら毎日船が運航しているので、気軽に島に行ける。
 何か興味が引かれたら、ちょっと行ってみてほしい。
 島自体は、1時間もあれば一周できる規模なので、独特の雰囲気を感じながら歩いてみるのもオツなもの(?)。
 ただし、靴はちゃんとしたものを履いて行きましょう!
 …スリルを味わいたいのなら、サンダルやハイヒールで行ってもいいかもしれないけどね。
  

猿島へ行こう!
『三笠公園』の脇にある船着場。
往復\1,200也。まぁ手頃な価格設定。

   

猿島です。
小さい島です。
東京湾唯一の無人島です。

   

猿島側から横須賀の街並みを見る。
…ボケボケ。
横須賀市街地は結構都会。

    

猿島が近づいてきました。
海にはクラゲがワサワサ浮いてます。
でも、浜にはいないみたい…

   

僕が乗ってきた船。
“しーふれんど2号”です。
10分弱の短〜い船旅。

   

泳ぐ、というより焼いている人たち。
バーベキューも出来ます。
この日は暑かったから泳いでる人もいた。

   

砂浜付近の水は、わりとキレイ。
でも、ちょっと沖に行くと…
ゴミの中を泳いでるみたいな気分に(ーー;)

   

さ〜、島の中を探検!
探検するお客さんもたくさん。
…って言うか、ハイキング気分かな?

  

切通し。
戦時中に作られたらしい。
土壁にラクガキが…するなよ!(怒)

  

切通しはレンガで補強されてます。
これも当然戦時中に。
島中がワリとこんな感じ。

    

倉庫(だったかな?)の跡。
昔は中に入れました。怖かったぁ〜。
今は入り口にフタしてありますね。

  

上には樹が鬱蒼と負い被さっています。
なのでほの暗い。
涼しい!この島は夏でも涼しい!

  

でも、足元はドロドログチャグチャ。
何せ、陽が当たりにくいから…
サンダル、パンプスは危険なので不可!

   

ほら、要塞っぽくなってきたでしょ?
この辺りにくるとさらに暗くなる。
人がいなかったら少し怖いかも…

  

このトンネル、中は真っ暗。
昔は舗装もされていなかった。照明も一切ナシ!
滑って転ぶ人もいた。怖いトンネル。

  

今はちゃんとレンガが敷いてあります。
少しだけ照明も点いてます。
…でも、やっぱり滑りやすくて真っ暗。

   

トンネルを抜けると、またトンネル(^_^;)
でも、次のトンネルは短いので安心。
次のトンネルを抜けると――

  

結局、生い茂る樹で暗いのさ。
足元も相変わらずぬかるんでるのさ。
でも、緑が心地いいのさ。

  

これは“砲台”の跡。
丸くなっているあたりがそれっぽい。
…しかし、足元が悪すぎだよ…

   

砲台の脇の階段を下りると、海。
東京湾が一望できます。
さすが、島!

   

階段の下は岩場。
磯遊びする人と釣り人がいっぱい!
水は東京湾のわりにキレイでしょ?

   

“猿島洞窟”、別名“日蓮洞窟”。
ここで貝塚が見つかったらしい。
どうやらその昔には住民がいたみたい。

  

日蓮が篭ったという言い伝えもある。
“猿島”と日蓮は縁が深い。
…って、飽くまでも「言い伝え」だけどね。

    

アジサイがぼちぼち咲いてました。
もうそういう季節だもんねぇ。
僕はアジサイは好きです。とくに青いやつ。

  

“お弁当広場”へ続く道。
地面から湯気が上がってました。
染み込んだ雨が蒸発してた。ビックリ!

   

広場の下にも岩場が。
こっちの水はさらにキレイ。
カニなんかも結構います。

  

とにかく、この島には独特な雰囲気がある。
近くに来たときにはちょっと寄ってみては?
べつに面白くはないけどね。
子供連れだったら磯遊びできるし、なかなかいいかも。
カップルも多いです。…なぜ?

  

   

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