世界遺産・ニセモノ その1
 
 
 ♪東武ワ〜ルドスクエ〜ア ここはぁ〜 華麗なぁ〜 玉〜手箱ぉ〜
 …このCMソングが全国区のものなのかどうかは知らないが、とりあえず多くの人がご存知だろうと思う。あ、最近は“キャイーン”がイメージキャラになってたこともあったね。
 と、そんな『東武ワールドスクエア』にちょっくら出掛けてみた。…“ちょっくら”なんて言ってるが、この『東武ワールドスクエア』(いちいち正式に書くのが面倒なので、以下『TWS』に省略)があるのは、温泉街として知られる“日光・鬼怒川”。ここ鬼怒川には他にも“にゃんまげ”でおなじみの『日光江戸村』や、『ウェスタン村』などというテーマパークがある。ついでに言うと、少し離れているけど『アウシュビッツ・ミュージアム』なんていう名前だけ聞くと偉く物騒な感じの施設まである。
 僕の住んでいる東京都小平市から鬼怒川に行くには、距離にして約160km、車で行く場合3時間は軽く費やすことになる。うっかり渋滞なんぞに嵌ったら、それどころの騒ぎじゃすまない。まさしく、ちょっとした小旅行となる。
 
 午前中の早い時間に小平を出発したのだが、埼玉に差し掛かった辺りでさっそく高速道路の事故渋滞にかち合ってしまい、鬼怒川に到着したのは昼近くだった。正味4時間の長いドライブを終えて『TWS』に着いた頃には、何だかとても疲れてしまっていた。
 気を取り直し、『TWS』を堪能すべく乗り込む僕であった。…でも、正直言うと、この時点での僕のモチベーションは「きっとイイ感じで“脱力ぅ〜”なテーマパークなんだろうなぁ、ここってさ♪」という、少々意地の悪い方向に向いていた。
 『TWS』というのは、要するに“世界の名所・史跡などの25分の1スケールのミニチュアがてんこ盛り”なところ。ここを観て周れば世界一周旅行が出来ちゃう!という、有り難いような余計なお世話のような、そんなスポットなのだ。
 たぶん、同じコンセプトのテーマパークはここだけじゃなくて、全国各地にあるんだろうとは思うが、とりあえず関東近郊ではここ『TWS』が唯一だろう。栃木県で世界一周が出来るなら、こんなに手軽なことはない。
 …でもね、所詮ミニチュアじゃん。ミニチュアの名所巡りなんかしたところで、面白いんかい。という気持ちがどうしても頭をもたげてくる。と、同時に、そのミニチュアってのがどの程度の物なのかを見てみたい、という欲求もある。どうせなら、思い切り完成度の高い物か、或いは死ぬほどハチャメチャな物が見たい。中途半端な物じゃなく、“感心or爆笑”の白黒ハッキリしたミニチュアをね。
 
 で、いきなり感想から言っちゃうと…「いやいや、お見逸れ致しました!」と言う感じ。
 大小100を超える国内外の名所・名跡(その内、世界遺産に登録されている物、約40個)のミニチュアは、なかなかどうしてそれはそれはきっちりとした作りで、見る角度によっては「本物みたいじゃん!」と感心させられる物が目白押し。…って、僕はその“本物”を肉眼で見てないんだけど。テレビや写真なんかでおなじみの建造物が、それらしくそこにある、というだけで、何故だか無性に楽しくなってしまうから不思議、と言うか、自分のミーハーな部分を強く刺激させられている感覚がたまらない。
 そんなよく出来たミニチュアもさることながら、何より僕が感動したのが、そのミニチュアの下に無数に配置された“人間のミニチュア”、つまり人形ね。
 こんな人形、単なる雰囲気モンって言うか、だたの賑やかしだろう程度に思っていると、きっとビックリすること請け合い!ちまちまと置かれた人形一体一体が、ちゃんとポーズを取ったり表情を持ってたりするのだ。
 名所の前ではカメラを構えて写真を撮る人が、寺院や神殿では手を合わせて参拝する人が、駅のホームでは時刻表を見つめる人が、満員電車では苦しそうにすし詰めになっている人が、田んぼでは稲刈りに汗を流す人が、街角では泥棒を捕まえる警官が、公演では輪になって楽しげに踊る人々が、教会では結婚式に参列する人々の幸せそうな一団が…挙げてたらキリがないぐらいに、5cm程度のちいさな人形に、それぞれの人生すら感じさせる魂が宿ってる。…というのは少し大袈裟かも知れないけど、とにかくこの人形たちを見ているだけでも、かなり楽しい。

 というわけで、ここで僕が拙い文章でつべこべと言ってても意味が無いので、さっさと画像を見てもらいましょう。
 あ、これから見てもらう写真のほとんどは「いかにもミニチュアです」って撮り方をしてるものばかりです。ホントはもっと構図を工夫して本物らしく撮ればよかったんだろうけど、他のお客さんの手前、しゃがみ込んだり体をねじったりしてカメラを構えるのが、かなり恥ずかしかったので(^_^;)
 中にはそういう人も居たんだけど…そこまでする勇気が無かったのさ。端で見てるとちょっと“引いちゃう”感じだったんだもん。
 
 果たして世界遺産に登録されている建物や場所が世界にどれぐらいあるのかは知らないけど、その中の40近くが一気に鑑賞できるというのは、なかなかお得な話ではある。
 これで緒形直人のナレーションが入れば完璧!であろう。…あ、今は寺尾聰だったっけ…
  

たった2時間で世界一周!
平日の昼間だというのに、案外来場者が多かった。
子供以上に大人が喜んでる?

  

なぜか沖縄物産展。
栃木なのに…しかもワールドスクエアなのに…
でもブルーシール・アイスを買っちゃったり…

      

≪JAPAN ZONE1≫

 東京の現代建築のゾーン。…まぁ、まずは自分の足元から、といったところか。
 普段見慣れている建物があるせいか、中には「これはちょっと…」と思う物もあったりするんだけどね。
 きっと、他のミニチュアも、実際に実物をよく知ってる人が見れば「微妙に違うんだよなぁ…」と思ったりするのかもしれないねぇ。
 でも、よく出来てることは間違いない。それに、こういう建物を上から見下ろすことなんて、そうそう無いし。
 とくに個人的に気に入ったのが『東京駅』。JRはもとより、新幹線だってちゃんと動いてるし、その車内には乗客もしっかり居る。初っ端から「これ、スゴイなぁ」と感心させられちまいました。
 ミニチュアの出来云々よりも、その懲り様に圧倒されるって言うの?『TWS』、タダモノじゃない!って予感がひしひしと…
 

『国会議事堂』です。
こうして見ると、なかなかキレイな建物です。
政治もキレイにね!(←月並み)

  

『迎賓館』。
二人のおばちゃんが庭木の手入れ…デカっ!
これで大体の縮尺度が分かるでしょ?

   

『東京駅』です。
駅舎もスゴイけど、驚くのが“群集”!
電車もしっかり走っております。

   

ひとりひとり、微妙に表情が違うんだよ、これ。
指ぐらいの背丈の人形なのに…
職人さん(?)の心意気が見える思い。

  

左に『東京タワー』、右に『東京ドーム』。
そして、その奥には緑深い山。
…なんとも不思議な光景。

   

『旧・帝国ホテル』。
帝国ホテルと言えばビートルズ。
…しかし、デカいなぁ、このホテル…

   

『東京ドーム』、別名『BIG EGG』。
…あまり言わないね、この別名。
僕は野球に関心ないので、なおさら馴染み薄。

   

『東京国立博物館』。
上野公園の中にあります。
僕は入ったことないです。

  

『成田空港』。
建物の向こうにジェット機の模型がある。
子供には大人気!

   

『国立代々木競技場』。
外タレのコンサートなんかも頻繁にやってる。
僕も見に行ったよ、スプリングスティーンとか。

  

≪AMERICA ZONE≫

 アメリカと言えば、『自由の女神』&摩天楼。という若干ステレオタイプな安易さは否めなくないけど、でも、これはこれで雰囲気はしっかりと伝わって来るよね。
 ただ、この“アメリカ・ゾーン”の存在感の薄さは、そのまま建国からの歴史の浅さと比例してる感じがしないでもない。(その証拠に、この後に登場する“ヨーロッパ・ゾーン”や“アジア・ゾーン”は数の上でも存在感の上でも圧倒的)
 …そう言えば、『TWS』には自然の造形物(例:エアーズ・ロックとかグランド・キャニオンとか)はぜんぜん無い。飽くまで人の手で作られた物だけに限定されてる。そういう点でもアメリカ・ゾーンはちょっと不利かも…
 でも、記念撮影するにはもってこい。上手く撮れば「これ、前にニューヨークに言ったときに撮った写真」などと騙すことも可能な写真がGet出来そう。
 騙したところで、何の得にもならないけどね。
 

ご親切にどうも。
じゃあ、撮ってみようかな。
   

   

で、それがこの写真です。
『自由の女神』と摩天楼。
水がヤケに青々としてるのが気になるけど…

  


摩天楼のふもとの様子。
ショー・ウィンドウまでしっかり作ってある!
双眼鏡のレンタルサービスもありますよ。

  

見ようによってはかなり本物チック。
…後ろの山がちょっと邪魔だけど。
「ニューヨークで撮って来た写真だよ」

  

言わずと知れた『ホワイトハウス』。
最近すっかりわがままし放題なアメリカ。
まったくコマッタちゃん(byロンパールーム)な感じ。

    

≪EGYPT ZONE≫

 ここのミニチュアは、ぜんぶ土色。なので、ぱっと見、地味。
 でも、子供たちにはかなり人気でした。…そりゃまぁ、寺院だの宮殿だのよりは、きっと子供心をくすぐるんだろうね。
 ここも“アメリカ・ゾーン”同様、ミニチュアの数は少ないんだけど、5つあるミニチュアのすべてが世界遺産!世界遺産度100%!
 僕は目を皿のようにしてピラミッドの下でゴチャゴチャと群れる人形を観察。「ひょっとして、吉村作治(あの、ヒゲ生やしたエジプト研究の教授ね)が居たりして…」と思ったんだけど。見つかりませんでした。って言うか、そもそもそんなの居ないんじゃないの?
 ピラミッド群のバックの砂丘のてっぺんには、ラクダの群れを引き連れたキャラバンの姿もあったり。デューク・エリントンの『キャラバン』って曲、知ってる?
 

一瞬、工事現場かと思っちゃった(^_^;)
ピラミッドでした。
ラクダも居ます。原寸大(?)の。

  

『カフラー王のピラミッド』だそうです。
左に見えるのは『メンカウラー王』の。
その奥に見えるのは…ニューヨークの摩天楼…

  

『スフィンクス』とピラミッドの2ショット。
土の質感が結構よく出てる。
出される質問の答えは“人間”でしょ?

  

人夫たちの姿もちゃ〜んと見られます。
中にはお疲れの作業員も居て…
観光バスだってしっかりと来てますよ〜。

  

『アブ・シンベル大神殿』。これ、気に入った!
家に持って帰りたい!
遺跡好きとしては、こういうのすごく心惹かれる!