どうせ気まぐれ

 池袋…僕はわりとこの街が好きでちょくちょくやって来るんだけど、正直言っていまひとつピンと来ない不思議な街だと思う。東京の主要都市のひとつであることは恐らく間違い無いとは思うが、どこかに“いなたさ”が残っているような気がする。
 池袋は、西口には東武百貨店やメトロポリタンプラザが、東口には池袋西武やサンシャイン60といったランドマークたる大きな商業施設が在って、それ以外にもたくさんの店がゴチャゴチャと展開している。だから人通りも当然多い。多いんだけど…やっぱりどこか“いなたい”。中国人や韓国人、タイだかフィリピンだかの人もやたらと多い。アウトローな匂いを放つ人々も多い。そういう意味では新宿辺りも同じような状況のはずなのに、何故か池袋は一味違うような感じがする。
 例えば、ビルの谷間に設けられた青空市場では野菜が売られていたり。今風な若者が闊歩するすぐ脇を自転車に乗ったエプロン姿のおばちゃんがス〜ッと掠め走っていったり。ラブホテル街の中をお婆さんが買い物カートを押しながら歩いていたり。某カレーチェーン店で「コロッケちょうだい!」とトッピング用のコロッケだけのテイクアウトを強要する主婦が居たり。某コーヒーチェーン店では大工の棟梁みたいなお爺さんが「氷をくれ!」とこれまた不躾な注文をしていたり…何だか気取り切れない要素が其処彼処(そこかしこ)に。
 …え?池袋を馬鹿にしてるんじゃないか、って?いやいや、その逆です。猥雑と云うにはのんびりしていて、混沌と云うにはどこか間延びしている。この池袋という街を、僕はなかなか魅力的だと思ってます。
 戦前は「何にも無くて、ホントに田舎だった」(←知り合いの池袋在住歴60余年のタバコ屋のおばあちゃん談)という池袋。今やその痕跡は見事なまでに消滅しちゃってるけど、何となく懐かしい匂いが微かに残ってる。そんな街だと思います、個人的に。
 

“池袋西口公園”から見た『東京芸術劇場』。
手前には得体の知れないオブジェ。
この公園、やたらとこういうのが立ってます。

  

公園の中央にある噴水。
それを遠巻きにして憩う人々。
これがまた何だか不思議な光景で…

  


ベンチが端にしか無いんですよね。
だから公園の真ん中がいつもガラガラな感じに…
で、公園のバックに聳え立っていますのが…

  

『メトロポリタンプラザ』です。
メトロポリス=巨大都市、主要都市。
…というほど大きいかどうかは微妙…

    

とにかくオブジェ風なものが多い街です。
よく注意して歩くとあちこちで発見できる。
池袋ってアートな街なのか?

  


ビルの硝子製壁面にはモナ・リザさんも。
フォークで肉らしきものをぶっ刺して微笑。
ダ・ビンチ氏もきっと苦笑い。

  

盛り場には多いですよね、パチンコ関係の店。
池袋もご多分に漏れず結構多いです。
僕はパチンコはしません。金がもったいない!

  

『北京亭ビル』はどこかレトロ&エキゾチックな趣き。
本格中華や蟹料理が堪能できます。
…僕は食べたこと無いですけどね。

  

う〜む、このネーミングの醸し出す空気。
70〜80年代の匂いを感じるのは僕だけ?
♪あなたお願いよ〜席を立たないで〜

  

これまた味のある『ロサ会館』。
映画館やボーリング場なんかが入ってます。
中がまた物悲しいほど寂れてて…(^_^;)

  

池袋にはこの手の店もかなりたくさん在る。
フーゾク関係の店の名前ってのがまた面白い。
『痴漢車トーマス』とか『(株)セクハラ物産』とか…

  


すでに廃墟と化した古いアパート。
繁華街の中に忽然と取り残されています。
駅から徒歩5分程度の好立地なんだけどねぇ。

  

 ↑上は主に西口・北口界隈。で、ここからは東口。と言っても、サンシャイン60や“人世横丁”など僕がよく出没する場所は、また別の機会に。
 そのサンシャイン60から大塚へと繋がる一帯は、路地裏偏愛者ならばきっと涎垂ものだろう(と思う)イイ感じの狭い路地がクネクネと入り組む住宅地。しかも、この味わい深い路地に加えて、チンチン電車まで走っている。まったくもって素敵である。
 チンチン電車、都電荒川線。東京にはこの荒川線のほかに、世田谷線という路線もある。僕はまだ世田谷線には乗ったことが無いので何とも言えないんだけど、荒川線の沿線は殊更大好きなのだ。今度はぜひ「荒川線途中下車の旅」なんていうのも実行してみたいもんだ!と思っているぐらいに。
 …あ、話を戻さないと。小路が入り組む東池袋から大塚、そして巣鴨へと続く界隈には、とにかく琴線に触れ捲りな路地や家並みがたくさんあって、目的も持たずただフラフラと歩くのもなかなか良いのだ。そんな路地の向こうに聳える高層ビルを見ると、何とも不思議な気持ちになる。東京って、実はこういう場所が他にもあちこちに在る。だから僕は東京が好きなんだろうと思う。
 程好く弛緩した路地を歩きながら、ちょっと思う。「残すべき」とか「護るべき」とか、そういう堅苦しさや気負いとは無関係にただひっそりとそこにそのままで居る、ということ。それが何だか切なくて、それでいて頼もしい。
 小さな家並みと狭い路地の向こうに、超高層ビルが聳え立つ。これがたぶん都会。
 

こちらは池袋の東側。
サンシャイン町会ってのが何だか素敵ですよね。
すぐ近くにあの『サンシャイン60』があるからね。

  

チンチン電車、都電・荒川線の線路。
おばあちゃんが植木に水遣り中です。
線路がまるで生活道路のように溶け込む街。

  

線路のフェンス越しに咲く鮮やかな色の花。
布団干してたりもするんですよね、フェンスで。
これだから好きなんだよなぁ、荒川線って。

  

やっぱり池袋って芸術の街なのかもしれない。
随分とモダンな窓の格子。
こういうのって市販されてるのかなぁ?

  


東池袋は狭い路地が網目のように入り組む。
路地裏フェチにはたまらない場所でもあります。
方向感覚が狂うほどにゴチャゴチャです。

  

で、そんな路地にはこんなお宅も。
結構年季の入った木造の家屋。
だから好きさ、池袋!

  

長屋風の建物もしっかり現役で残ってます。
マジで侮れないです、この界隈。
このまま大塚や巣鴨方面に抜けて行くのも楽しい。

  

昔ながらの細い路地のすぐ後には、
サンシャイン60などの高層ビルヂング。
このギャップがある意味極めて都会的な光景かも。

  

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